外傷性動静脈瘻

初診に適した診療科目

外傷性動静脈瘻はどんな病気?

動静脈瘻は動脈と静脈が毛細血管を経ないで直接繋がってしまう状態の事です。原因として先天性の動静脈瘻と後天性動静脈瘻に大別されます。外傷性動静脈瘻は後天性動静脈瘻の一つで刃物による刺し傷や銃による銃創等の外傷によるものがその多くを占めています。局所的なものでは、無症状又は局所症状のみですが、大きなものでは、静脈瘤や腫れを生じ心臓に負担をかけます。

主な症状

外傷性動静脈瘻は手術やカテーテル検査後など、物理的作用によって引き起こされます。小さな動静脈瘻では症状がありませんが、進行すると静脈瘤や腫れを引き起こします。動静脈瘻では血流量が増加するため心臓への負担が大きくなり、心不全につながることがあります。一方で末梢では血流量が減少するため、循環障害による冷え、痛み、皮膚が青紫色になるチアノーゼが症状として現れます。

主な原因

動静脈瘻は先天性のものと後天性のものがあり、外傷性動静脈瘻は後者にあたります。後天性のものは手術中の刺創やカテーテル検査において付いた傷が原因になることがほとんどです。通常血液は毛細血管を通して動脈から静脈へ流れますが、刺創などによって異常な短絡が形成され、毛細血管以外のところで動脈と静脈がつながってしまいます。この異常な血流が症状を引き起こします。

主な検査と診断

基本的な外傷性動静脈瘻の検査方法は聴診です。この疾患は聴診器で特殊な機械音のような音が聞こえます。この音は機械性の雑音として認識されており、この症状が確認できた場合は、超音波の検査で動静脈瘻を確認する必要があります。又、大動脈や大静脈など、身体の深くに位置するの血管での動静脈瘻を確認する為には、MRIを用いてのより詳しい検査が必要になります。

主な治療方法

外傷性動静脈瘻は短絡の大小や皮膚が青紫色になるチアノーゼの程度によって治療法が異なります。短絡が大きい場合には外科手術によって、短絡とそれを含む病変部を切除します。また、短絡が小さい場合にはカテーテルを用いて短絡をふさぎ、異常な動脈から静脈への血流を遮断します。手術が難しい場合には弾力ストッキングなどを利用して血液の環流を促進する方法もあります。