骨巨細胞腫 ホネキョサイボウシュ

初診に適した診療科目

骨巨細胞腫はどんな病気?

「骨巨細胞腫」とは、良性の骨腫瘍に分類されます。しかし、他の良性骨腫瘍と比較すると再発率が高く、肺転移を起こす場合もあるのが特徴です。また、ごく稀に悪性へと変化する場合があります。20~40代の女性の発症率が高く、骨強度の低下に伴う微少骨折により生じると考えられている局所の痛み・腫脹・関節の運動制限が症状として現れます。膝の上下・手首の親指側・肩の下が発生しやすいとされています。

主な症状

骨巨細胞腫の症状は関節部分に発症することが多いために、その部分について、初期には痒みがあり、進行していくに伴って痛みが激しくなります。また巨大化していくたびに周囲の皮膚や寝具と擦れ合うこともあり、その周辺が擦過傷となったり、爛れたりする場合もあります。部分によっては、神経を圧迫することにより麻痺が生じたり、関節機能の障害から、やがて骨折に至る場合もあります。

主な原因

骨巨細胞腫の原因については、腫瘍は巨細胞間にある間質細胞が主体であることまではわかっているのですが、実際にどのような細胞からの発症であるのかや、病気が起こる遺伝子異常についても理由がわかっていません。組織学的に見て、骨の再構築において骨を破壊、吸収する役割を持つ破骨細胞に似た巨細胞が多く見られます。特有の症状もないため未だ解明されていないのです。

主な検査と診断

骨巨細胞腫が疑われる場合の検査方法には画像診断と悪性かを見極める為の病理検査があります。画像診断は、レントゲン撮影、MRI、CTスキャン、血管造影、骨シンチグラフィーが用いられます。画像所見で悪性を疑う場合、局部麻酔を用いて針生検を行います。針生検が不可能な場合は全身麻酔を施し切開生検を行い、いずれも採取した細胞の病理検査を行います。

主な治療方法

骨巨細胞腫の根本的な治療法は、外科的手術療法となります。腫瘍の準広範囲切除が行われます。本腫瘍は良性腫瘍ですが、活動性が高いため、単純に腫瘍の掻爬だけでは再発の可能性が高いため、腫瘍の掻爬後、サージエアトームで腫瘍の周辺の骨を採掘し、さらに腫瘍を掻爬します。その後、エタノールやフェノールを用いて周囲骨を処理し残存腫瘍細胞を死滅させます。