カーバメイト中毒

初診に適した診療科目

カーバメイト中毒はどんな病気?

カーバメイト中毒とは、カーバメートという成分が含まれている殺虫剤や農薬を、吸引することによって引き起こされる中毒症のことです。農薬や家庭用殺虫剤に含まれており、神経の働きを阻害し殺虫する効果があります。鼻や口から人体に入り込むと、瞳孔が小さくなる・嘔吐・下痢・頻脈・意識低下などの症状が現れます。酸素吸入をし、アトロピンを注射し副交感神経の働きを正常に戻します。

主な症状

カーバメイト中毒になると、腎臓がダメージを受けて炎症を起こすため、血尿や皮膚の浮腫みなどの症状が出てきます。カーバメイトを吸い込んだ呼吸器も炎症を起こし、咳や痰の酷い症状が出ることもあります。カーバメイトに触れた皮膚はアレルギー症状を起こし、痒みのある発疹が出てきます。目に入った場合は、やはり炎症を起こし、結膜炎や角膜炎にかかります。

主な原因

カーバメイト中毒は、殺虫効果のある農薬であるカーバメイトを、適切な扱いを怠ったり、自殺を意図したりという何らかの理由で、人間が自浄出来る解毒量を超えて大量に体内に吸収させてしまうことが原因で起こります。農家にとって農薬は珍しいものではなく、日常的に扱うものであるがゆえに、管理や保管方法が杜撰になっていることもカーバメイト中毒が起きる遠からぬ原因であります。

主な検査と診断

カーバメイト中毒の検査方法は、臨床鑑定と血液鑑定が有効です。迅速に治療方針を確立するために、手早く臨床鑑定を行う必要があります。臨床鑑定後に採血を行い、カーバメイト中毒が疑われる場合は、薄層クロマトグラフィー法により検査します。検出下限は0.02グラムです。血液の他、患者の吐瀉物、胃の内容物、尿も原因農薬を特定するために有効であるため保存をしておく必要があります。

主な治療方法

カーバメイト中毒を起こした場合、まずは病院に運ぶ前に、患者になるべく体内に入ったカーバメイトを吐き出させることが、病院で行われる治療法の助けとなります。病院では、患者の胃や腸の中、そしてカーバメイトが付着している皮膚部分を洗浄して、出来る限りカーバメイトの成分を体内から取り除き、症状に合わせてステロイドや抗生物質を投与して治療を進めます。