無痛性心筋虚血 ムツウセイシンキンキョケツ

初診に適した診療科目

無痛性心筋虚血はどんな病気?

無痛性心筋虚血は、前兆なく心臓発作を起こして突然死したり、心筋の大部分を壊死させる心筋梗塞を起こします。神経障害があると狭心症や心筋梗塞を起こしても、痛みをほとんど感じることがないため、病気の発見が遅れたり、治療が間に合わないケースもあります。糖尿病では、合併症の神経障害により痛みを感じないため、無痛性心筋虚血を起こしやすいです。また、加齢によって痛みを感じにくくなっている場合に起こります。

主な症状

無痛性心筋虚血は、ほとんど自覚できる症状のないことが特徴です。めまい感や吐き気を催したり、頭や胸、身体の痛みを感じることさえありません。また血圧の上昇や下降、呼吸の乱れや失神を起こすこともありませんから、完全に無自覚のまま進行が進んでいくということが、特徴的と言えば特徴です。無痛性心筋虚血は検診などで見つけるくらいしか、症状はありません。

主な原因

無痛性心筋虚血の主な原因は、一般的に知られている狭心症と類似しており、冠動脈の硬化が大きな要因となっています。この冠動脈が硬化を引き起こす理由としては、高脂肪や運動の不足など生活習慣が要因となる糖尿病や高血圧に加え、遺伝的な要素などがあります。この症状は虚血があっても症状が出ないもので、知覚神経に何らかの異常がある可能性もあります。

主な検査と診断

無痛性心筋虚血の検査方法は、自覚症状が無いため単独の検査ではなく、以下の検査時に偶然見つかることがほとんどです。心電図検査・ホルター心電図検査・運動負荷心電図検査で虚血性変化があること。心臓音波検査で左心室の壁運動に異常があること。心臓カテーテル検査で冠動脈に狭窄が見られること。これらの検査で虚血が明らかになった場合は、冠動脈造影で確認します。

主な治療方法

無痛性心筋虚血の基本となる治療法は、内科的なものと外科的な治療があります。内科的な治療は薬物療法になり、薬剤で各部の静脈や動脈を広げ、心臓の負担を減らし、血流を促進させます。又、心筋虚血の外科的な治療では、開胸手術をして、一旦心臓をとめて人工心肺にしておき、狭窄されている部位に迂回路をつくり血流の機能を正常化させます。