心膜心筋炎はどんな病気?
心膜心筋炎は、多くは急性のもので、原因不明の胸痛、発熱を伴います。半数以上に、1.2週間前に上気道感染が見られることがあり、経過は良好なことが多いです。しかし、心膜心筋炎が原因で、心臓のポンプの働きが低下したり(心不全)、危険なリズム異常が発生したり(心ブロックや致死的不整脈)、生命や生活の危険に陥れ、死に至ることもある、怖い病気です。
心膜心筋炎の主な症状は?
心膜心筋炎の症状で最もよく見られるものは、発熱、呼吸困難、胸部の痛みです。胸部の痛みは体位で変化し、横になると痛みが増しますが、上半身を起こしたり前かがみになると痛みが和らぎます。また深呼吸や体を動かす際にも胸痛が強くなります。この他の症状としては、嗄声、食道圧迫による嚥下障害や発汗、倦怠感、食思不振、体重減少があります。
心膜心筋炎の主な原因は?
心膜心筋炎は、主に肺炎球菌、ブドウ球菌、連鎖球菌、インフルエンザなどの感染が原因で発症します。それ以外にも腎不全の末期時に発症しやすいという特徴があります。乳癌や白血病、気管支癌などからの転移や浸潤が原因により発症する場合もあります。心筋梗塞もしくは、心膜切開手術後に発症することが多く、予後経過の観察が重要になります。
心膜心筋炎の主な検査と診断方法は?
心膜心筋炎は心臓を覆っている心膜の様子を観察することにより検査します。具体的には、心臓の聴診、心電図、胸部X線写真の撮影、心エコーなどの方法を取ります。心臓の聴診では心膜の摩擦する音を聞きます。エコーという、心臓に超音波を当てて反応をみる検査方法では、心膜腔に貯留液がたまっているかをみることで容易に検査をすることができます。
心膜心筋炎の主な治療方法は?
心膜心筋炎の治療法は、投薬が基本です。症状の原因となっているウイルスの種類を特定し、ウイルスに応じて適切な抗ウイルス薬を投与します。心不全や不整脈が見られる急性の症状の場合は、それに対処するための治療を行います。症状の程度や原因となっている疾患が様々あるので、それ応じて、ペースメーカーや除細動器を取り付ける手術を行う場合もあります。
心膜心筋炎の初診に適した診療科目