早朝高血圧 ソウキコウケツアツ

初診に適した診療科目

早朝高血圧はどんな病気?

外来血圧が正常でも早朝に測定した家庭血圧が高血圧である場合を早朝高血圧と呼ぶようにしています。仮面高血圧の一つの型でもあります。早朝高血圧には二つのタイプがあります。夜間高血圧から移行するタイプと夜間血圧は正常血圧でも早朝に急峻に血圧が上昇するタイプ(モーニングサージ)があります。朝は副交感神経から交感神経への移行の時間でもあり、正常の人でも軽度の血圧上昇はあります。過度の血圧上昇がモーニングサージ型になります。早朝は血液が固まりやすい時間でもあり、早朝高血圧は脳梗塞や心筋梗塞を起こしやすいので注意が必要です。
血圧の高い方はまず起きてすぐに立ち上がるのではなく、暫く座って休んでから立ち上がるようにします。そして毎朝血圧計で自身の血圧をはかり自身の体調の管理が必要です。特に寒い冬は血圧が上昇しやすいので注意が必要です。

主な症状

早朝高血圧の症状は、無症状の場合もありますが、動悸やめまい、全身倦怠感などがあります。急激な交感神経の影響がでてきます。
特に胸部不快感、胸痛等がある場合は心筋梗塞を疑い救急車をよぶのがよい場合があります。糖尿病を持っている人はしばしば胸痛がない場合がありますので注意が必要です。また、半身のしびれや麻痺が出てきた場合は脳梗塞を疑い至急救急車を呼びましょう。早く対応すれば、お薬で血栓を溶解でき後遺症を残さずにすみます。

主な原因

原因としては、過度に交感神経が刺激されることです。夜間高血圧からの移行の型は睡眠時無呼吸症候群や抑うつ状態などがあります。また、モーニングサージ型では、寒冷や血管が硬くなっている状態などがあります。また、持続時間が不十分な降圧薬が原因であることがあります。早朝には降圧作用がなくなっている場合があります。そのような時は長時間型の降圧薬に変えるか、眠前に降圧薬を服用するなどの工夫が必要です。

主な検査と診断

早朝高血圧の検査方法は、朝、目が覚めた直後の家庭での血圧測定です。携帯型の自動血圧測定を用いることによって、医療従事者ではなく、自宅で簡単に患者さんに血圧測定を行ってもらいます。
その値と普段の平均的な血圧の値とを比較することによって、診断します。おもに、平均的血圧よりも早朝血圧が10~15mmHg以上高いことが診断基準となっています。

主な治療方法

早朝高血圧の治療法は、これまで降圧薬を服用していない場合には長時間作用型の降圧薬を服用します。すでに降圧薬を服用している場合には、長時間型に切り替えたり、薬を眠前に服用したりします。また、飲酒が早朝高血圧の原因のひとつとされていますので飲酒を控えることも大切です。また、部屋の温度だけでなく寝具の中の温度も調節し寒くならないようにしましょう。