白癬菌性肉芽腫 ハクセンキンセイニクガシュ

白癬菌性肉芽腫はどんな病気?

白癬菌性肉芽腫とは、皮膚糸状菌が真皮や皮下組織で増殖して発生する深在性真菌症の一つです。浅在性白癬症に対して副腎皮質ステロイド剤等を誤用した為に発症する限局性白癬菌性肉芽腫と免疫不全の人や免疫抑制剤を利用している人等で免疫力が低下している人に発生し易い汎発性白癬菌性肉芽腫とに分類されます。限局性のものは抗白癬剤の服用で改善しやすいですが、汎発性のものは治癒しにくい傾向があります。

主な症状

白癬菌性肉芽腫は足、手、爪、股部、体部、頭部、顔などの全身の皮膚表面上に様々な症状を呈します。菌が真皮や皮下組織内で増殖し、かゆみと痛み、湿疹など多彩な症状をを伴います。白癬菌性肉芽腫は健康な場合にはほとんど感染や発症はありませんが、抵抗力の低下によって感染・発症・重篤化します。菌の病巣が皮膚の深部に形成され、角質や爪、毛、毛の周囲へと化膿が進行する場合もあります。

主な原因

白癬菌性肉芽腫は水虫の原因である皮膚糸状菌が皮膚や脂肪の層の中で増殖して発生するできものの一種です。皮膚糸状菌が付着した皮膚に直接触れたり、患部に触れたタオルや靴などを使い回しする行為は感染の危険性を増大させます。また、病気や薬物投与などによって免疫力が低下するのも白癬菌性肉芽腫が発症しやすい原因の一つとされています。

主な検査と診断

白癬菌性肉芽腫の検査方法は、生検が一般的です。皮の組織の一部もしくは爪や毛を採取し、KOH直接鏡検法で糸状の菌糸や、分節を持った胞子を確認する事で診断を確定出来ます。KOH直接鏡検法とは、前述した組織をスライドガラスに載せ、高濃度のKOH溶液を垂らして、カバーガラスを被せ、数分加熱し組織を融解後、観察する検査方法です。白癬が疑われる場合、非常に有用な検査法です。

主な治療方法

白癬菌性肉芽腫の治療法は患部を清潔に保ち、抗真菌薬の外用が一般的です。1ヶ月程度で症状は改善しますが、代謝によって皮膚が新しくなるまで数ヶ月間の使用が必要です。症状が広範囲に渡ったり、外用薬で皮膚のかぶれが生じる場合は、グリセオフルビンなどの抗白癬剤の内服療法を行います。白血病や自己免疫疾患が原因の場合は、治りにくいことがあります。