心因性視力障害 シンインセイシリョクショウガイ

初診に適した診療科目

心因性視力障害はどんな病気?

心因性視力障害とは、脳や眼自体には異常がないにもかかわらず視力が出ない状態のことです。小学校高学年の女児に多くみられます。ストレスが原因の心身症と考えられますが、ストレスの原因が分からないことも多くあります。眼に異常があるわけではないため、メガネやコンタクトレンズを付けても視力が得られるわけではありません。治療はストレスを取り除くことが中心となり、たいていの場合徐々に回復していきます。

主な症状

心因性視力障害の症状は自力では気づかずに多くが学校などの視力検査で発見されます。視力障害には0.4~0.6程度の視力低下が多いが、0.1以下の重度の視力低下も現在増加しています。屈折異常があったとしてもメガネなどによる矯正があまりできなくなります。この病気は小中学生に多く、女性のほうが男性より4倍ほど発症しやすい病気です。

主な原因

心因性視力障害の原因は、ストレスなどが要因となって視覚に異常をもたらします。視力には、器物的な要因の他に精神的な要素も多く関わっています。そのため、精神状態に何らかの不調が起これば、視力にも影響が及ぼされる事があります。日常生活や仕事に起因する精神的なストレスが、視力を始めとして体の各所に病状を引き起こすことは十分に考えられます。

主な検査と診断

心因性視力障害の検査方法として、まず屈折検査を行い、その値を参考にして矯正視力検査をします。目に異常がないことを確かめるために眼底検査などの精密検査をします。また、瞳孔反応や視野検査、網膜を調べるERG電図、CT、MRI検査をして視神経や脳の疾患がないかも調べます。このように、眼球に器質的な異常所見が全くないことが確定診断のために必要です。

主な治療方法

心因性視力障害は治療法は確定していないため、患者の様子に合わせた対処をしていくことが求められます。例えば、親とのスキンシップが足りないのならば積極的にコミュニケーションをとったり、友達との関係がうまくいっていないのであればじっくり相談にのってあげます。中には眼鏡への憧れから発症することもあり、そのときには度の入っていない眼鏡を与えます。