トラコーマ

初診に適した診療科目

トラコーマはどんな病気?

トラコーマは、クラミジアと呼ばれている微生物が角膜や結膜に感染することで引き起こされる結膜炎です。クラミジアによるこの結膜炎はかつての日本で非常に流行していた病気でしたが、戦後の衛生環境の向上とともにほぼ見られないものとなっています。しかし、現在でも海外の衛生環境の悪い地域では依然としてこの病気の感染者が多く見られます。

主な症状

トラコーマとは、クラミジアの微生物による角膜炎のことです。なので、性病の類いです。症状は、軽いものは、まぶたが張れたり、充血して浮腫んだり、めあになどが出ます。また、酷くなると細菌感染をおこすこともあります。細菌感染をおこすことにより、最終的には、視力障害などを、併発する恐れがとても高いです。なので、異常があったら直ぐに病院にいきましょう。

主な原因

トラコーマは、クラミジアトラコマチスという微生物に感染することが原因で発症します。感染経路は、おもに患者の目の分泌物に直接触れるか、分泌物の付着したタオルなどによる間接感染です。患者にたかったハエから感染が広がることもあります。また、分娩時に母親から子供にうつる産道感染も起こります。衛生状態の悪い環境で発生しやすくなります。

主な検査と診断

トラコーマの検査方法には主に、抗原検出、核酸増幅によるもの、封入体検出があります。この中で最も普及しているのは抗原検出の方法です。また、核酸増幅によるもののうち、TMA法は、高感度にクラミジアを検出できます。一方で、古典的な方法ですが、結膜擦過物の塗抹標本を使用する方法があり、塗抹標本は、アデノウイルスとの鑑別に役立ちます。

主な治療方法

トラコーマの治療法は、症状が軽いうちにテトラサイクリン系かマクロライド系もしくはニューキロノン系の抗生物質や抗菌剤を点眼薬や軟膏もしくは内服することで行います。原因となるクラミジアが完全に死滅するまで投与します。また、最も有効な抗生物質はテトラサイクリン系とされ、サルファ剤などの内服も効果があります。なお、濾胞が著しい場合は潰す手術を行うこともあります。