色覚異常 シキカクイジョウ

初診に適した診療科目

色覚異常はどんな病気?

色覚異常とは色の区別が非常に困難、または色の区別が出来ないことです。一色しか判別できない一色型色覚と、二種類だけしか判別できない二色型色覚などほかにもさまざまな種類があります。男性に発症頻度が高い(軽度のものも含めると20人に1人は色覚異常があるといわれています)のが特徴です。また先天性の場合は現在の医療では治療方法はありません。

主な症状

色覚異常になると、日常生活にある色が通常の人とは違うようにうつります。赤と言ってもオレンジに近い赤や紫に近い赤などありますが、その違いがわかりづらくなります。色覚異常は程度によってかなり症状がかわり、軽度の場合は、日常生活に困ることはまずありません。強度の場合は、色認識の条件が悪い場合(暗いところや黒板など)では色を見間違えることがあります。

主な原因

色覚異常には先天性と後天性の2種類があり、その多くが先天性です。先天性は伴性劣性遺伝することがわかっています。色を感じる細胞(ヒトは3種類あります)に、もともと異常があるためです。後天性の原因としては、眼底や視神経、脳などの視覚に関係する部分の障害によって発症するものや、心因性のものがあります。その場合は色覚の異常だけでなく、視力の低下や違和感のあるものの見え方など症状を同時に自覚することがあります。

主な検査と診断

色覚異常の検査方法にはいくつかの方法があります。最も一般的で判断しやすいものは、色相環を基に判断する仮性同色表の試験です。小学生の間に、希望される方は小学校でうけることができます。この方法でどの程度異常があるか判断しにくいので、色相を配列順に並べていく色相配列試験を行います。異常の程度を精密に判定するために必要であるアノマロスコープなどの試験を行いますが、一般的なクリニックでは施行できませんので、大病院に行く必要があります。日常生活に困っていない場合は精密な程度判定を小中学生の間は行う必要はありません。色覚異常がある場合、就職できない職業や、色にたずさわるような不利な職業がありますので、進路相談前には精密な程度判定を行った方がよいと考えます。

主な治療方法

残念ながら、先天性色覚異常の治療法は現在までには見つかっていません。軽度な色覚異常は病気ではなく、あくまで個性と考えれば良く、色合いが違ってもそれなりに色判断をしていますので日常生活には問題ありません。