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不眠、不安・・・男性だって更年期

医療ニュース
今回のホームページ制作に役立つコンテンツは、10月17日(土)日経プラス1 に掲載の「不眠、不安・・・男性だって更年期」 をご紹介させて頂きます。
「更年期障害」は中高年女性に特有の病気と考えられてきたが、最近は男性でも同様の症状にみまれることが注目されています。ここでは「男性更年期障害」の正体と予防策を紹介します。
 

男性更年期障害とは

四大症状

・気持ちが晴れない
・夜眠れない
・性欲減退
・汗をかきやすい
 

発症年齢

40歳代〜80歳代(個人差が大きい)
 

原因

男性ホルモンであるテストステロンの減少により発症し、減少度合いは個人差がある。
テストステロンの減少は加齢によるものだけではなく、ライフスタイルの大きな変化も関わっていることが最近わかってきた。テストステロンは社会適応に関わるホルモンで、自分が「社会に貢献している」「認められている」と毎日感じられていると減少しにくい。つまり、テストステロン値が高いと意欲・冒険心・ストレスを受け流せる鈍感力が高まり、前向きな精神状態になる。しかし、「仕事がうまくいかないストレス」や「引退後に趣味も何もなく社会から隔離れた状態」などライフスタイルが崩れるとテストステロン値も低下する。テストステロン値の低下は更年期症状の悪化だけではなく、糖尿病動脈硬化などの他の病気にもつながることがある。

 

男性更年期障害 チックリスト】

※「LOH症候群診療の手引き」を基に作成
下記の各症状に対して、「無し」1点、「軽い」2点、「中等度」3点、「重い」4点、「非常に重い」5点で点数をつけ、合計値を算出する。

・総合的に調子が良くないと感じる
・腰痛、関節痛、手足の痛み、背中の痛み
・思いがけず突然ひどく汗が出る
・寝起きが悪い、ぐっすり眠れないなど睡眠の悩み
・イライラする
・神経質になった
・不安感(パニック状態になる)
・体の疲労や行動力の減退
・筋力の低下
・憂鬱な気分(落ち込み、涙もろい、気分のムラ)
・「絶頂期は過ぎた」と感じる
・ひげの伸びが遅くなった
・性的能力の衰え
・早朝勃起の回数の減少
・性欲の低下
 

結果の味方

合計点が17〜26点なら問題なし。
27〜36点なら軽度。
37〜49点なら中等度。
50点以上は重度。

 

男性更年期障害 治療方法

ホルモン治療

2〜4週間毎に注射により男性ホルモンを補う。
治療は様子を見ながら、1年程続ける。
注射治療は保険が適応されることが多いが、中には自費診療の施設もある。
通院が難しい場合は塗り薬による男性ホルモンの補充方法もあるが、こちらは保険適用外になる。
ホルモン治療による副作用は少ないと言われているが、赤血球の異常増加睡眠時無呼吸症候群の悪化、前立腺肥大症前立腺がんなどのリスクも考えられるので、定期的な検査が必要である。
 

生活療法

男性更年期障害の場合、減少したテストステロンは食事や睡眠、運動といった基本的な生活スタイルを見直すことで、多少なりとも増やすことができる。

・毎日何か「楽しい」と感じられることをする。
・趣味などストレス解消や達成感を得る。
・ボランティアなどで社会貢献を意識する。
・引退後も人との関わりを持ち続ける。
・食事と睡眠をきちんととる。
・毎朝、30分以上体を動かす。
 

急な強い運動が逆効果

運動のやり方によっては逆効果になることがあるので、毎朝の30分の運動メニュー例を下記に紹介する。

1)まずは階段などでかかとを落とし、足首、ふくらはぎを伸ばしたり、腰を曲げて太ももの裏・背中を伸ばしながら3分間ストレッチを行う。
2)30分ほどウォーキングや軽いジョギングを行う。
初めは30分程度から少しずつ運動量を増やしていくと男性ホルモンをうまく増やすことができる。

更年期障害は夫婦同時に訪れるケースも少なくありません。
普段から夫婦で運動や趣味に一緒に取り組み、共通な会話を増やしていくなど夫婦で更年期障害に向き合っていくと良いかもしれません。

 
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