肛門がん コウモンガン

初診に適した診療科目

肛門がんはどんな病気?

肛門がんとは、消化管の終末部の肛門管にできるがんのことです。大腸がんに比べるとその頻度はまれで、様々なタイプのがんが発生する箇所でもあります。
このがんの発育形式は、肛門管の中から発生した管内型と、外から発生した管外型とに分類されます。
また、この病気は60~70歳に多く、肛門管の上部にできるがんは女性に多く、肛門縁にできるがんは男性に多くみられます。

主な症状

肛門がんとは肛門の周辺部にできるがんの総称のことをいいます。症状としては赤黒い血が排便と共に放出されたり、肛門に強い痛みが伴うことが上げられます。
また痔や痔ろうを放置することでがん化してしまうことも知られています。そのため肛門周辺部に痛みや不正出血がある場合はできるだけ早く専門医の診察を受けましょう。

主な原因

肛門がんを発症する原因はまだよくわかっていないことが多いのですが、もともとあったポリープ状の良性腫瘍ががんになったもの、直腸にある粘膜からがんができるなどが考えられています。
また、慢性化した痔ろうや尖圭コンジローマなどが要因となっていることもあります。
最近ではヒトパピローマウイルスやヒト免疫不全ウイルスの感染なども考えられています。

主な検査と診断

肛門がんの検査は、まず肛門部の診察を行います。視察、指診をして比較的硬い腫瘤の一部を切除したり、針で採取して組織検査をする場合もあります。
その他の検査方法としては、レントゲン検査、CTやMRIによる検査、内視鏡、超音波検査があります。
また、粘液や分泌液を色素で染めて、悪性細胞の有無を確認するために細胞診を行う場合もあります。

主な治療方法

肛門がんの治療法は、早期で他の臓器に転移していない場合、外科手術によって切除、完治することも可能です。また、放射線治療が効果的であることが多く、化学療法とともに行うことも多いです。
以前は人工肛門をつけることも多かったのですが、放射線治療によって回避することが可能になってきています。
進行度や治療が効果的であった場合、比較的予後の良いがんです。