膠原病肺

初診に適した診療科目

膠原病肺はどんな病気?

膠原病肺と言っても複数の意味を持っており、膠原病患者にみられる肺の病気全部を指すことと、膠原病の共通した組織の病的な変化が肺に出た場合だけを指すこともあります。検査では病変部位を知る為には、胸部X線検査やCT検査が行われ、肺機能検査はどのくらい肺が障害されているかを調べるためには重要な検査です。治療は長期的な見通しをもった治療が必要です。

主な症状

膠原病肺の症状は、どの膠原病の合併症として肺に疾患が起こったか、どのような肺疾患になったかにより異なります。胸膜炎の場合は胸痛、呼吸困難、発熱がみられます。間質性肺炎の場合は発熱、呼吸困難、息切れ、空咳がみられます。細気管支炎の場合は激しい咳込み、頻脈、多呼吸がみられます。気胸の場合は呼吸困難、動悸、咳、胸痛、背中の鈍痛がみられます。いずれも風邪の初期状態と似ています。

主な原因

膠原病肺の原因は、もともと患者が罹患している膠原病の合併症として肺にも異常が出ることです。全身に症状が出る膠原病において肺に病変が出た場合に発症します。これは免疫複合体が肺に付着することに起因すると考えられていますが、全ての膠原病が肺に病変が出るとは限らず、肺に出る病変の種類も異なります。膠原病の治療薬によって肺に病変が出ることもあります。

主な検査と診断

膠原病肺の検査方法は、胸部X線検査や肺機能検査、血液検査などにより行います。胸部X線検査など胸部を直接検査することによって、病変や病状の進行度が分かります。また、肺機能検査では、肺の機能の低下がどの程度のものかを把握する事が可能です。さらに血液検査によって、肺の炎症や組織の損傷の度合いを具体的に数値として知る事が出来ます。

主な治療方法

膠原病肺の治療法はステロイド剤の服用によって行います。病巣の炎症を抑えるために服用しますが、副作用の心配があるため、症状と効果をみながら徐々に投与量を減らしていきます。また、異常な働きをする免疫を抑制するための免疫抑制剤も併用されます。咳がひどい場合には咳止めの薬も使われ、呼吸が困難なとき、酸素の吸入量が少ない場合は人工呼吸器や酸素吸入も行います。