急性呼吸促迫症候群

初診に適した診療科目

急性呼吸促迫症候群はどんな病気?

急性呼吸促迫症候群(きゅうせいこきゅうそくはくしょうこうぐん)とは、別名急性呼吸窮迫症候群(ARDS)ともいい臨床的に重症の状態の患者に起こる呼吸不全の一種であります。症状として、酸素飽和度と動脈血酸素分圧が急激に低下することで頻呼吸や1回換気量の低下、肺水腫などが現われます。死亡率は4割程度であるが疾患と本症による呼吸不全とが互いに増悪しあうことが多々あります。

主な症状

急性呼吸促迫症候群の症状は、浅い呼吸の回数が増えることによって呼吸困難、頻脈などです。また、酸素をうまく取り入れることができなくなるため血液中の酸素の量が減ってしまい、皮膚や粘膜が紫色になるチアノーゼや、皮膚に斑点が出現するなどの兆候が現れます。また、状態が悪化するにつれて他の組織へも影響し、最終的に昏睡状態に陥ってしまうこともあります。

主な原因

急性呼吸促迫症候群の原因は、細菌の感染や外傷などによるものです。血液に菌が入り敗血症に陥った場合や、重症の肺炎といった状態で起こります。また他にも、肺に複数の外傷を負った場合や手術後の病状の悪化によってこうした症状が急激に起こることもあります。この病状は、他の臓器の機能不全と共に起こることも多く、それらの現象と関連性があります。

主な検査と診断

急性呼吸促迫症候群はARDSとも呼ばれ成人の呼吸困難症の一つです。その要因となる疾患は様々ですが症状はほぼ同一のものであり、検査方法としては症状そのものの診察に加えて要因となる疾患の特定も同時に行います。検査としてはX線撮影による胸郭撮影がメインとなり、それによる肺水腫の確認や重い呼吸不全などが決め手となります。心臓に異常が見られず肺のみに症状が現れるという事を重視します。

主な治療方法

急性呼吸促迫症候群の治療法は、症状の原因を引き起こしている疾患を改善することが第一です。原因疾患を治療することによって、症状も改善していきます。また、治療においては、呼吸の管理が必要です。換気量を低く設定することによって、血中の二酸化炭素を増やすものです。また、薬物による治療として、抗エラスターゼ製剤が用いられることもあります。