家族性アミロイド・ポリニューロパーチ カゾクセイアミロイド ポリニューロパーチ

初診に適した診療科目

家族性アミロイド・ポリニューロパーチはどんな病気?

家族性アミロイド・ポリニューロパーチとは、血清蛋白質の変化によって神経障害を主な症状にする病気の事をいいます。原因は甲状腺ホルモンを運ぶ働きがあるトランスサイレチンが、肝臓や心臓などに過剰に沈着している為です。両方の足先がチクチクしたり、下痢や便秘、立ちくらみ等の症状が現れた場合、家族性アミロイド・ポリニューロパーチの可能性があります。

主な症状

家族性アミロイド・ポリニューロパーチは、自律神経や運動神経に障害を及ぼし、排便や排尿を困難にさせる症状が出てきます。足の先に針に刺されたような感覚を覚えたり、温度に対する感覚異常もあらわれます。自律神経が侵されるので、身体の均衡がうまくとれなくなり、発症すると30年もしない内に心臓発作や肺病などを起こして死に至ります。

主な原因

家族性アミロイド・ポリニューロパーチのおもな原因は遺伝子の変異があげられます。遺伝による傾向が強いため家族性と病名に名前がつけられています。トランスサイレチンの遺伝子であるTTRに変異している部分があることが原因であるということが分かってきています。この変化している遺伝子が末梢の神経をはじめ様々な臓器に沈澱して症状が発症されます。

主な検査と診断

家族性アミロイド・ポリニューロパーチは、血清検査と遺伝子検査を組み合わせた検査方法により確定診断が可能です。具体的には、胃、十二指腸もしくは腹壁の組織の一部を採取し、コンゴーレッド染色を行うか、抗TTR抗体を用いた組織診断、血清診断、遺伝子診断を行います。微量血清中の変異TTRを解析し、異形TTRのピークが描出された場合、家族性アミロイド・ポリニューロパーチと確定診断出来ます。

主な治療方法

家族性アミロイド・ポリニューロパーチの治療法は、異常なトランスサイチレンを作りだす肝臓を取り出して、正常な肝臓を移植する方法が取られています。この治療法も神経症状を改善できるかは確実ではなく、後遺症で視力障害を起こす可能性があります。近年家族性アミロイド・ポリニューロパーチの末梢神経障害の進行を抑制する新薬が開発され、期待が高まっています。