細菌性髄膜炎はどんな病気?
細菌性髄膜炎とは、細菌が脳や脊髄を包む髄膜の奥まで入り込んで発熱や悪寒、激しい頭痛を引き起こす病気のことです。時には命にかかわり、重い後遺症も残すこともあります。この病気は、一般的には、発症してから大体24時間ほどで病変がピークに達します。そのため早期診断をして、早期に加療することが大切です。発病は、急性発症で頭痛などの他にも意識障害や脳神経症状も現れます。
細菌性髄膜炎の主な症状は?
髄膜炎の三徴として、意識障害・発熱・項部硬直が挙げられます。細菌性髄膜炎では、一週間以内の短い期間において急激に前述の症候が現れます。初期のうちは、頭痛・発熱・嘔吐などを示し、かぜと区別がつかないことも多いですが、進行とともに、頭蓋内圧亢進・脳浮腫による意識障害を認めるようになります。同時に、項部硬直などの髄膜刺激症状もみられるようになります。
細菌性髄膜炎の主な原因は?
日本における細菌性髄膜炎は、b型インフルエンザ菌の一種であるHib(ヒブ)によるものと、肺炎球菌によるものが大半を占めています。統計を行った年により異なりますが、ここ数年は、Hibによる感染が6割前後、肺炎球菌によるものが2割から3割前後、その他の病原菌が1割前後というデータが報告されています。ちなみに、その他の原因菌としては、B群連鎖球菌や大腸菌などがあります。
細菌性髄膜炎の主な検査と診断方法は?
細菌性髄膜炎の検査方法としては、血液検査や腰椎穿刺による髄液検査を行います。血液検査では赤沈の亢進、白血球の増加が見られます。髄液検査では圧の上昇、蛋白の増加、糖の著しい低下が見られます。髄液から菌が証明されれば確定的であり、まず髄液沈渣の塗抹標本において起炎菌の検出が重要です。また、迅速な診断として髄液、血清を用いた主要菌の菌体成分に対するラテックス凝集法が一般的です。
細菌性髄膜炎の主な治療方法は?
細菌性髄膜炎の治療法は、抗菌薬の投与によって実施されます。細菌の増殖抑制のため、セフェム系抗菌薬やカルバペネム系抗菌薬を用います。また、併用して、抗菌薬投与前に副腎皮質ステロイド薬が用いられることもあります。さらに、脳圧降下薬や抗けいれん薬、さらには鎮痛剤、解熱剤も投与することによって、病状からの回復を図っていきます。
細菌性髄膜炎の初診に適した診療科目