ウイリス動脈輪閉塞症はどんな病気?

ウイリス動脈輪閉塞症とは、脳に栄養を送る内頸動脈と椎骨動脈の根元に狭窄が生じ、その結果として脳に栄養が届けられなくなる病気です。脳血管の閉塞によって、細いはずの毛細血管が拡張していきます。その血管を検査で観察すると、その画像が立ちのぼる煙のように見えるため、別名ではモヤモヤ病とも呼ばれています。原因不明の病気で、遺伝子などによる影響が疑われています。

ウイリス動脈輪閉塞症の主な症状は?

ウイリス動脈輪閉塞症は、熱いものを吹いて冷まそうとしたときなどに手足の脱力感や言語障害があらわれて数分でおさまる、朝起きたら吐き気や頭痛がするが昼にはおさまる、といった症状がでます。また、意識障害、運動麻痺などがみられ、特に頭痛は大半の患者が経験します。子供では過呼吸を伴うけいれん発作や意識障害を生じることもあります。

ウイリス動脈輪閉塞症の主な原因は?

ウイリス動脈輪閉塞症の原因は、内頸動脈が塞がることによって引き起こされるものです。脳の内部には、ウイリス動脈輪と呼ばれる血液循環のための動脈の輪があります。このウイリス動脈輪が塞がることによって、脳内の血流量を確保するために細い動脈が脳内に新たに形成されます。内頸動脈が塞がる要因は判明していないものの、遺伝子の関与が考えられています。

ウイリス動脈輪閉塞症の主な検査と診断方法は?

ウイリス動脈輪閉塞症は俗にもやもや病というふうに呼ばれ、その検査方法は主として脳血管撮影で行われます。典型的な場合は、磁気共鳴血管撮影であるMRAとMRIのみで検査することができます。この撮影によりウイリス動脈輪とその近くの内頸動脈、前中大脳動脈の狭窄や閉塞、そしてもやもやとした血管が発見された場合にこの病気であると判断されます。

ウイリス動脈輪閉塞症の主な治療方法は?

ウイリス動脈輪閉塞症における治療法は、薬物療法では有効なものはありませんが虚血例などには抗血小板療法を行い、出血例では高血圧治療が行われます。また小児の場合、脳の表面に腱膜や筋肉を付着させることで血行を促すために間接的血行再建術を行ったり、または浅側頭動脈・中大脳動脈吻合術と呼ばれる手術を行います。成人の場合にこれらの手術が有効かどうかは分かりません。

ウイリス動脈輪閉塞症の初診に適した診療科目