肺リンパ脈管筋腫症

初診に適した診療科目

肺リンパ脈管筋腫症はどんな病気?

肺リンパ脈管筋腫症は、妊娠が可能な年齢の女性にのみみられる病気で、肺の内部の至る場所で平滑筋が増殖していき、いろいろな症状を引き起こします。自然気胸や労作時呼吸困難を機に受診するケースが多く、気胸は繰り返すのが特徴的です。労作時呼吸困難はゆっくり進行し、咳や喀痰、血痰がみられるようになります。確実な治療法は今の所ありませんので、都度症状をみて、それを抑える対症療法が行なわれます。

主な症状

肺リンパ脈管筋腫症の症状は、肺の気管支の壁内にある平滑筋が増殖して起きる場合は、気管支の内腔が細くなることで、吸った息や空気を吐き出しづらくなります。結果的に、沢山の肺胞が風船を膨らませた状態になり、気腫性嚢胞が肺の至る場所にできはじめて、労作時の呼吸困難や咳、気胸、喀痰、血痰が生じます。また血液の流れも途絶え、血液が行き場を失い、充血も起こります。

主な原因

肺リンパ脈管筋腫症の原因は、病変部の平滑筋細胞に遺伝子異常があるため、平滑筋細胞が腫瘍性に増殖してしまうことによります。この遺伝子異常によって、過剰な増殖能力を持つLAM細胞が出現します。LAM細胞は、コラーゲンなどを分解する酵素を出し、肺に穴をあけるのではないかと思われています。がん抑制遺伝子であるTSC遺伝子機能が失われたために、増殖します。

主な検査と診断

肺リンパ脈管筋腫症の検査方法とは、ほとんどの場合に、胸腔鏡下肺生検というもので、胸腔鏡を使って肺から組織を採取して、組織検査を行います。そして平滑筋細胞が結節制に増殖をしていないかどうかを調べます。この平滑筋の増殖が、肺の組織にだけではなく、そのほかの部分のリンパ節部にもおこっていないかも調べます。胸部CTでは、のう胞が確認されます。

主な治療方法

肺リンパ脈管筋腫症の治療法としましては長期間に渡って安定している群と、早期に呼吸不全に至る群とがあります。 これはそれぞれ症状や個人ごとに進行速度が異なっていることがあります。病状の進行は女性ホルモンとの関係が予測されており、ホルモン治療が試みられる事もがありますが、未だに有効性については分からないままです。自然気胸の症状を何度も繰り返す場合は、外科的に胸膜癒着術を行います。