振動障害

初診に適した診療科目

振動障害はどんな病気?

振動障害は、職業柄チェーンソーや電動ドリルなど振動がある工具や機械を使い続けて起こる障害のことを言います。手、腕からの振動による傷害のことを言います。手、腕の感覚の麻痺や関節痛、レイノー現象、握力の低下などが見られます。根本的な治療はありませんが、温熱療法や運動療法、マッサージなどで様子を見るほか、神経などに効く薬物療法などもあります。

主な症状

振動障害の症状は、レイノー現象(手指が白くなってしびれを感じ、その後赤色や紫色に変色する)を主とした末梢循環障害、末梢神経障害、骨・関節障害の3つからなっています。段階としては最初は手足のしびれを感じ、その後腕のだるさ・脱力感・腕の強いしびれと痛みが現れます。最も特徴的な所見であるレイノー現象は、全身に冷えを覚えた時に発症します。

主な原因

振動障害の原因は、労働などで腕に対して強い振動を受け続けることによって発病します。仕事で強く振動する道具などを使うと、その振動によって健康障害が起きます。この病気による障害の影響は、工具の振動の強度や連続での使用時間、また、労務に従事していた期間や労働環境、患者の生活習慣といった各種の要因によって、大きく左右されます。

主な検査と診断

振動障害の検査方法は、問診、視診、触診において振動の影響が診断されますが、主には振動工具の使用経験に関する問診や、レイノー現象を確認します。抹消循環障害があるかどうかの診断は、一般的には、皮膚温検査、爪圧迫検査、サーモグラフィー検査、指尖容積脈波などが行われています。最近では、手指収縮期血圧計を使用する新しい検査が検討されています。

主な治療方法

振動障害の治療法は、理学療法と薬物療法が併用されます。理学療法としては、手指のパラフィン浴、ホットパック、温水・冷水の交替浴、マッサージなどの温熱療法と運動療法を組み合わせて行います。薬物療法では、末梢循環改善薬、末梢神経賦活薬、精神安定剤を使用します。また、日常生活では振動工具の使用など手指への振動刺激を避け、保温、禁煙することなどが重要になります。