仮面高血圧 カメンコウケツアツ

初診に適した診療科目

仮面高血圧はどんな病気?

医療機関で測定する血圧(外来血圧)は正常血圧なのに、自宅で測定する血圧(家庭血圧)は高血圧になっている場合を仮面高血圧といいます。医療機関で正常血圧のために医師から降圧剤の投与が行われないことで高血圧が進んでしまうことがあります。そのために家庭血圧の測定を続けることで早期に仮面高血圧を発見でき、治療を受けることができます。医療機関での測定は1か月に1回しか行わないのに比べ家庭血圧は毎日一定の条件下(例えば、起床後1時間以内で排尿後、坐位1-2分間の安静後、朝食前、服薬前に測定する)で多く測定するため血圧の信頼度が高くなります。現在の高血圧の治療は外来血圧よりも家庭血圧を重視しています。

主な症状

家庭血圧は高いのに、外来血圧は正常なので、見逃されることが多い病気です。種類はいくつかあり、就寝中は正常値でも目覚める頃に血圧が上昇する「早朝高血圧」、夜になって上昇する「夜間高血圧」、職場や家庭でのストレスで上昇する「ストレス高血圧」が代表的です。自覚症状がほとんどない人もいますが、イライラ感や疲れ感や顔が火照るなどの高血圧の症状もでます。

主な原因

早朝高血圧の原因はお酒の飲みすぎや動脈が固くなることが考えらます。動脈が固くなる原因として高齢者や糖尿病、脂質異常症など合併症があげられます。ストレス性高血圧の原因は、職場や家庭でのストレスが続いている場合や運動不足が考えられます。また、夜間高血圧の原因としては心不全、腎不全、睡眠時無呼吸、抑うつ状態、夜間頻尿などが考えられます。

主な検査と診断

早朝家庭血圧を市販の血圧計を用いて起床後1時間以内で排尿後、坐位1-2分間の安静後、朝食前、服薬前に測定した血圧が高いことで早朝高血圧が発見されます。また、24時間血圧測定法で睡眠時血圧の平均値が昼間血圧の平均値の10%減少より血圧が高いことで夜間高血圧が発見できます。また、ストレス性高血圧はストレス時に市販の血圧計を用いて血圧測定を行うことで発見できます。ただし、市販の血圧計は手首型でなく上腕型が適しています。

主な治療方法

仮面高血圧の治療法は、それぞれの生活習慣の改善(ストレスからの解放や飲酒の制限等)や合併症の治療(例えば睡眠時無呼吸に対する持続陽圧呼吸器使用)も大事になります。持続高血圧(家庭血圧、外来血圧ともに高血圧)と同等それ以上に心臓や脳血管の病気になりやすいことがわかっていますので積極的に降圧薬を使うことが大事です。ストレスや早朝高血圧や夜間高血圧に合わせた降圧薬投与のタイミングを変えるといった工夫が必要な場合があります。降圧薬を飲んでも効かないといったケースがありますが、それは降圧薬を飲むタイミングが合っていないからである場合があります。医師に相談して、どの時間に服用すれば良いのか聞くと良いです。