ヘリオトロープ疹

初診に適した診療科目

ヘリオトロープ疹はどんな病気?

ヘリオトロープ疹は、主に皮膚筋炎に特徴的な検査所見の一つで、確定診断としても重要です。ヘリオトロープ(薄紫色をした小さな花)の色をした発疹がみられることから呼ばれています。主に、上まぶたに多くみられ、むくんだようになりますが、かゆみなどの自覚症状は伴いません。ヘリオトロープの花と同じ薄紫色に見えるのは、白人の場合で、日本人など、アジア系の人種では、褐色がかった紫に見えることが多い傾向があります。

主な症状

ヘリオトロープ疹は、皮膚筋炎に見られる症状の一つです。手や目の周囲に紫紅状の湿疹がこの特徴です。このような発疹が出ると、筋肉も炎症を起こしていますので、筋力が低下して身体に力が入らなかったり、疲れやすくなったりします。基本的な生活の動作が困難になってしまいますので、重症になりますと、車椅子の生活を強いられる場合もあります。

主な原因

目の周りに紫赤色の皮疹をおこすヘリオトロープ疹は、自己免疫疾患である皮膚筋炎の症状の一つです。橋本病やバセドウ病のような膠原病に伴って発症します。皮膚筋炎の原因は、免疫の異常や遺伝、ウイルス感染、薬剤などが言われていますが、はっきりとはわかっていません。なんらかの影響で免疫の異常がおこり、筋肉が炎症をおこし、四肢の筋力が低下します。

主な検査と診断

ヘリオトロープ疹の検査方法として使われている代表的な技術として、第1に血液検査が挙げられます。血液検査によって筋肉に含まれるクレアチンキナーゼ、アルドラーゼなどの酵素の数値が確認できます。これらの数値が平常値よりも高い場合は発病の疑いがあります。第2の方法として筋生検があります。これは筋肉に針を刺して得られた組織を観察することで発病しているかを確認します。

主な治療方法

ヘリオトロープ疹の治療法は、薬物療法が基本です。ステロイド薬、あるいは免疫抑制薬を使います。ステロイド薬は大量に使うと、副作用が発生する可能性があるため、その場合には使用料を減らしたほうが良い傾向にあります。減らした分は、免疫抑制薬で補うと良いでしょう。治療は長期に渡って行う必要があるケースもありますが、命には別状ありません。