閉塞隅角緑内障
閉塞隅角緑内障はどんな病気？
緑内障にはいくつか種類があります。その一つが閉塞隅角緑内障です。閉塞隅角緑内障は、眼球を満たしている房水という体液の出口に当たる隅角が狭くなってきて（狭隅角）、さらには眼球を形成する一部である虹彩という薄い膜によって塞がれてしまうことにより排出が困難になり（閉塞隅角）、房水がたまり眼圧が高くなってしまう症状を指します。急性型では房水の流れが主に水晶体と虹彩の間で完全に遮断してしまわれるので、非常に高い眼圧となります。主な症状
閉塞隅角緑内障には慢性型と急性型の2種類があります。慢性型は、自覚症状がないままに進行していることが多く、中期から末期になって発見されることが多い緑内障です。自覚症状はなくても眼科診察で隅角の広さをみることで、閉塞隅角緑内障のリスクがあるかどうかがわかります。急性型では突然眼圧が高くなるため、激しい眼の痛みや充血、眼のかすみ、頭痛や吐き気、嘔吐などが起こります。放置しているとひどい場合は、失明にもなりかねないので、必ず治療が必要です。
主な原因
閉塞隅角緑内障とは、房水という目を守るものの出口にあたる隅角が虹彩によって塞がれる原因により排出が困難となり、房水がたまり眼圧が高くなる病気です。原因としては遠視（もともと遠くがよく見えている方）があります。遠視は眼球全体が近視にくらべ小さいので、隅角も狭くなるからです。閉塞隅角緑内障は男性より女性の方が多いとされています。加齢による白内障によっても隅角が狭くなります。他、炎症等による続発性の閉塞隅角や虹彩の形がもともと悪い（台形虹彩）があります。また、閉塞隅角緑内障には禁忌薬があり、内視鏡検査での前処置に使う薬や睡眠剤、風邪薬等、急性閉塞隅角緑内障を引き起こす可能性のある薬があります。逆に開放隅角緑内障には禁忌薬はありません。
主な検査と診断
検査方法は、眼圧検査、隅角検査、眼底検査、視野検査などが行われます。眼圧検査は目に風を当てて測る方法と、直接測定機器を眼球に触れさせて測る方法があります。隅角検査は点眼麻酔、角膜保護剤を使用して検査用のコンタクトレンズを接触させ、観察します。どれくらい、隅角が閉塞しているかを判断します。
主な治療方法
急性閉塞隅角緑内障では、眼圧が非常に高くなっているので、眼圧を正常値に戻すことが早急に必要となります。虹彩にレーザーで穴を開けて、房水が流れるようにします（レーザー虹彩切開術）が、不可能な場合、外科的手術を行います。白内障が原因の場合は可能であれば白内障手術で対応することもあります。慢性型の場合は、基本的には薬物治療というよりも閉塞隅角を開放にかえるための手術が必要となります。白内障手術により、分厚い水晶体が薄い眼内レンズに置き換わることで隅角が広がります。急性発作予防や、隅角が狭くなるのを防ぐ意味でも白内障手術が必要になることが多いです。かなりの範囲で隅角が閉塞してしまった場合、隅角癒着解離術を行うこともあります。まだ若年や壮年の方で、白内障手術を行うほどでもない場合は、レーザー隅角形成術等の処置を行うこともあります。