ラムゼイ・ハント症候群
ラムゼイ・ハント症候群はどんな病気?
ラムゼイ・ハント症候群とは、帯状疱疹のウイルスが原因で引き起こされる、末梢性の顔面神経麻痺の症状のことです。治療には長い時間がかかりますが、完治は難しく目や口の動きが不自然になり、後遺症が残ることもあります。また、耳の周囲や耳の中に水泡ができると大変危険で、耳鳴りやめまいの症状として現れることがあります。免疫力が低下しているときは、症状の進行が早いの注意が必要です。
主な症状
ラムゼイ・ハント症候群の症状は、耳の周囲や後ろに鈍痛がおこり、数日後に耳の中に水泡ができ、顔面神経麻痺や難聴、めまいなど起こるのが特徴です。三半規管にも影響し、耳鳴りが起こったりします。風邪をひいたり、体力がおちていたりなど免疫力が下がっているときは進行しやすくなります。
また、完治が難しく、後遺症が残る可能性もあります。
主な原因
ラムゼイ・ハント症候群の原因は、顔面神経にヘルペスが感染することです。小さい頃に水痘(水疱瘡)にかかったことのある人が、その症状が治まっても神経節に水痘・帯状疱疹ヘルペスウイルス(VZV)が住み着いていることが多く、そのウイルスが肉体的・身体的ストレスなどによる免疫力低下により、抵抗力が低下することで再活性し、感染します。主な検査と診断
ラムゼイ・ハント症候群の検査方法は、外耳道を中心部とする水疱性発疹を確認することに始まります。これは典型的な症状なので、検査時には欠かせないポイントになります。そしてハッキリとした診断を下すには、血清抗体価や、特異性IgMの上昇を測る方法を使います。
また、モノクローナル抗体を用いてウイルス抗原を検出する方法もあります。
主な治療方法
ラムゼイ・ハント症候群の治療法は抗ウイルス剤と副腎皮質ステロイドを用いて行われます。抗ウイルス剤にはアシクビルという薬剤を使いウイルスを死滅させます。
副腎皮質ステロイドは顔面神経麻痺の炎症と浮腫をおさえるために使用されます。
痛みの対応には一般的な鎮痛薬(消炎鎮痛薬)の他に三叉神経痛の治療にも使われるカルバマゼビンが使われることもあります。