皮様嚢腫

初診に適した診療科目

皮様嚢腫はどんな病気?

皮様嚢腫とは、卵巣腫瘍の一種で、脂肪、毛髪、歯などが含まれた嚢腫のことです。
大きさは、くるみ大から赤ちゃんの頭ぐらいまで様々になります。小さいうちは症状が出ませんが、大きくなってくると腹部に痛みがあらわれます。
良性のものが多いですが、まれに悪性であることがあるので、組織の検査が必要です。
自然に治ることはないので、手術で取り去ります。

主な症状

皮様嚢腫とは卵巣にしばしば発生する奇形腫のことです。20〜30代の女性に多くみられます。
発育が緩やかではじめのうちは気づかないことが多いですが、腫瘍が徐々に大きくなってくると、ほかの臓器を圧迫して下腹部のはりや、腰痛、頻尿などの症状がみられるようになります。
さらに腫瘍が大きくなると茎捻転といって、卵巣と子宮をつないでる部分が捻れてしまう現象を起こすことがあり、その場合は激痛が起きたり、ひどいときには卵巣が壊死してしまうこともあります。

主な原因

皮様嚢腫は、卵巣内にある卵子のもとが精子と出会っていないにもかかわらず、何かの拍子に卵巣内で突然細胞分裂が開始されることによって形成される。
ここでの細胞分裂は、受精ではないので結果的に中途半端な組織が形成されます。
しかし、上述した細胞分裂はどのようにして発生するのかは医学的に解明されておらず、この病気の原因は不明な点が多いです。

主な検査と診断

皮様嚢腫の検査方法は、産婦人科での内診や超音波検査です。超音波検査で詳しく腫瘍の位置や大きさを確認し、腫瘍内部の状態も知ることができます。
観察を行った結果、悪性腫瘍の疑いがあれば、血液を採取して、腫瘍マーカーの値を検査します。
この3つの検査でも診断が困難な場合には、CTやMRI検査による画像診断を行います。

主な治療方法

皮様嚢腫の治療法は手術によって腫瘍を取り除きます。まず茎捻転を起こしていれば一般的には嚢腫部分を摘出します。
手術は開腹手術と腹腔鏡下手術があります。開腹手術は、腹壁を切開し腹腔を開放する方法です。
腹腔鏡下手術は、お腹の中に炭酸ガスを入れて膨らませるか、機械を用いてお腹をつり上げて臍部から腹腔鏡を挿入し、同時に手術操作に用いる器具を挿入するための5~10ミリの切開を左右二カ所に必要とする方法です。