悪性症候群
悪性症候群はどんな病気?
悪性症候群とは、向精神薬の重篤な副作用のことで無動、寡黙、高熱、意識障害などの症状が生じます。注意すべき向精神薬としてはブチロフェノン系、フェノチアジン系などの抗精神病薬あり、またアマンタジンなどの抗パーキンソン薬の突然の服用中止などによっても起こることがあります。
治療法としてはダントリウム、ブロモクリプチンなどの投与が挙げられます。
主な症状
悪性症候群の典型的な症状は、発熱、発汗、流涎、言語・嚥下障害、頻脈、無動・緘黙・意識障害、筋硬直・振戦などがあげられます。発熱は、微熱で始まることもありますが、ほとんどの場合は38度から40度の高熱に至ります。脱水症、栄養障害、呼吸障害、循環障害、腎不全などを併発すると、命の危険にさらされることもあるので、注意が必要です。
主な原因
悪性症候群は、向精神薬の副作用が原因とされています。例としてはプチロフェノン系やフェノチアジン系などの定型抵抗精神病薬などが挙げられ、また、抗うつ薬、炭酸リチウムなどの色々な向精神薬から引き起こされます。さらに、抗パーキンソン病の薬であるアマンタジンなどの服用を突然ストップすると発症することもあり、きっかけは様々です。
主な検査と診断
向精神薬などの精神神経薬剤の副作用である悪性症候群か否かを判別する検査方法は、早急な血液及び生化学的検査によります。その得られた結果から血清クレアチンキナーゼや白血球の数値が高く、発汗や発熱、血圧などの異常、言語及び歩行などに障害が認められる場合には、同症候群の発生を念頭において速やかな治療を開始することが求められます。
主な治療方法
悪性症候群は向精神薬などを服用することによって引き起こされる副作用のうち、特に生死にかかわるような重篤なものを言います。その治療法は、原因となっていると推測される薬剤の服用を中止することや、抗パーキンソン病薬の中止によるものであれば中止前の投薬量を再投与する、水分と栄養の補給を行う、治療薬を投与するといったところです。
重篤な場合には集中治療などが施されます。