SARS

初診に適した診療科目

SARSはどんな病気?

SARSとはSevere acute respiratory syndromeの略で、日本では重症急性呼吸器症候群と呼ばれます。
2002年に新しく発見された感染症で、原因となる病原体はSARSコロナウイルスと名付けられました。
主な症状としては急な発熱と咳などのインフルエンザの症状に似た症状が出た後に肺炎に進行します。
有効性が確実とされる治療法はまだ確率されておらず、対症療法が中心となります。

主な症状

SARSの潜伏期間は2〜7日間のことが多く、発症第1週に突然の発熱、悪寒、筋肉痛など、インフルエンザの様な症状で発症します。発病第2週には非定型肺炎へ進行し、乾いた咳や呼吸困難を発症します。下痢の症状がみられることもあります。
約20%の症例で重症化し、呼吸不全となりますが、それ以外の80%の人は発症後6〜7日間で軽快します。

主な原因

SARSは鼻かぜなどを引き起こすコロナウイルスが進化した新種のコロナウイルスの感染によるものが原因で発症します。コウモリからハクビシンへうつり、そこから人への感染するようになったといわれていますが、確定的な結論はまだ出ていません。
感染ルートは未だはっきりと解明されておらず不明な点が多いのですが、一般的な見解として飛沫唾液による飛沫感染と考えられています。

主な検査と診断

SARSの検査方法は、まず臨床検査キットにて行います。所要時間は30分程度です。検査キットにより疑いが濃厚となると、以下3種類の検査を行います。
一つ目は、コロナウイルスに特徴的なRNA配列を検出する遺伝子診断。二つ目は、コロナウイルスに反応する抗体を検出する抗体検査。三つ目は、コロナウイルスを分離・培養して確認を行うウイルス分離検査です。

主な治療方法

SARSに感染した場合、初期では診断を兼ねて、抗生物質を用いることが多いですが、有効な治療法は、未だに確立されていません。酸素投与や人工呼吸器の使用など、いわゆる支持療法を中心とした治療が基本になります。
現在でも、効果のある薬剤の発見や開発、更なる有効な治療の確立に向けて研究が進められていますが、その答えが見つかっていないのが現状です。