緊張亢進型(胆道ジスキネジー)はどんな病気?
緊張亢進型(胆道ジスキネジー)とは、食後などに右上腹部が痛くなり、腹部膨満感や吐き気等を伴う病気です。胆石症に似ている症状でもありますが、胆道に胆石や炎症、癌等の異常がまったく無い病状です。緊張亢進型(胆道ジスキネジー)は、食事によって胆汁が排出される際に関係している、自律神経やホルモンの異常が原因ではないかと指摘されています。
主な症状
緊張亢進型(胆道ジスキネジー)の症状は、上腹部の右背中側で突然に発生する痛みや継続する痛みが起こります。症状自体は胆石が生じた時と似ています。この痛みは喫食した後1、2時間程度経過してから鈍痛となって現れることが多くみられます。場合によっては痛みだけではなく、吐き気や嘔吐を伴うことがあるほか、胃痙攣を生じることがあります。
主な原因
緊張亢進型(胆道ジスキネジー)は、胆道の正常な機能が損なわれ、胆嚢の収縮運動がうまく出来なくなることが原因で起こります。胆道が正常に胆汁を排出する機能は、自律神経が司っているため、緊張亢進型(胆道ジスキネジー)を起こす患者は自律神経失調症が原因になっている場合があります。また、妊娠したり、糖尿病になったりすることが、この病気を引き起こす例もあります。
主な検査と診断
胆道造影検査、超音波検査、CT検査では緊張亢進型(胆道ジスキネジー)を認めることが困難です。胆道系腫瘍と、胆石、乳頭部の病状と、この病気を鑑別するためのERCPが検査方法として有用です。この際に、原因を究明するために、胆道内圧測定が行われる場合もあります。肝臓から胆管への分泌状態を監察する胆道シンチグラフィーも診断の手助けになります。
主な治療方法
緊張亢進型(胆道ジスキネジー)の主要な治療法は、食事療法と薬物療法です。この疾患では暴飲暴食を回避し、脂肪の多い食事をコントロールする事が重要になります。そして、薬物療法は、特定の薬剤に加え、精神安定剤を服用する事が効果的です。この薬物療法で症状が改善しない場合は、胆嚢を摘出する手術が必要になり、内視鏡を用いての手術が行なわれます。
緊張亢進型(胆道ジスキネジー)の初診に適した診療科目