悪性星細胞腫

悪性星細胞腫はどんな病気?

悪性星細胞腫とは脳にできる悪性腫瘍のひとつです、星細胞腫はもともと良性に近い性質を持っているものが多いのですが、再発時に悪性化することがあることが分かっています。脳腫瘍の症状には、頭がい内圧亢進と、腫瘍ができた脳の部位による脳の局所症状とがあります。良性あるいは悪性度の低い脳腫瘍ではこれらの症状が段々に強くなってきますが、症状の進行が年単位とゆっくり進む良性の物とは違って、悪性星細胞腫をはじめとするたちの悪い脳腫瘍の場合には月単位、週単位で急速に進行してしまうことがあるのが特徴です。

主な症状

脳を構成する細胞のうち、星状細胞に由来する腫瘍が星細胞腫です。症状は無症状から激しい症状までさまざまですが、頭痛、嘔吐、めまいのほか、病巣が異常をきたすことによって、痙攣、手足のしびれ、知覚聴覚視野味覚などの障害、記憶力や判断力の低下など腫瘍の発生場所に影響される部位に症状がでます。部位によっては腫瘍が小さくても水頭症を引き起こす原因になります。頭蓋骨に水が溜まり圧力が高くなって脳ヘルニアを引き起こし意識障害や呼吸停止の原因になります。

主な原因

悪性星細胞腫の原因は、まだ分かっていません。最近の生物学的研究によって、一般にがん細胞の発生や悪性化には、DNA修復関連遺伝子や増殖因子などの多数の遺伝子の異常が関与していることが分かっています。

主な検査と診断

脳腫瘍の検査方法は、CTスキャンもしくはMRI検査、血液検査が通常です。熟練した専門医が診ることで、腫瘍の大きさや部位だけでなく、悪性星細胞腫かどうかの診断が可能です。CTスキャン、MRI検査ともに人体の断層写真を作りますが、MRIの方がより詳細な情報を得ることが出来ます。いずれの検査でも造影剤(CTではヨード製剤、MRIではガドリニウム製剤)を注射して行うことが多いです。星細胞腫とは異なりますが、脳下垂体などにできる脳腫瘍では、特定のホルモンを分泌するものが存在するため、ホルモン異常による体の不調から脳腫瘍が発見されることがあります。こうした場合は血液検査による診断も並行して行います。

主な治療方法

悪性星細胞腫の治療法としては、手術により可能な限り腫瘍を摘出し、病理診断後に場合によっては放射線治療を行うこともあります。いずれにせよ主治医とよく相談し、遠慮なく質問して、場合によってはセカンドオピニオンを受けるのも良いでしょう。

悪性星細胞腫の初診に適した診療科目