産後精神病

初診に適した診療科目

産後精神病はどんな病気?

産後精神病は産後うつ病の更に症状が重たいもので、発症頻度は産後うつ病に比べてたいへん低くなります。産後二週間以内に発症し、症状はうつ病とおなじような状倦怠感や不眠症、不安感、感情のコントロールができにくいといってものに加え、幻覚や自殺願望、暴力的になったり、とつぜんの奇怪な行動をとるなど、より強い症状が現れます。赤ちゃんを傷つける行為に及ぶ場合もあり、注意が必要です。

主な症状

産後精神病にかかると、長期間に渡って激しいうつ症状に悩まされることになります。食欲がない、眠れない、悲観的になる、死にたい気持ちになるなどの、基本的なうつ病のような病状から、幻覚や幻聴、被害妄想、誇大妄想、感情の上下が激しくなる、奇異な言動を繰り返すなどの、統合失調症のような病状まで、幅広い苦痛に悩まされることとなります。

主な原因

産後精神病は産後すぐに落ち着くマタニティーブルーとは違い、長期間にわたり幻覚や幻聴などのうつ状態に陥るってしまいます。症状も人それぞれで、明確に特定された原因というものはありません。一因として考えられるのは出産後の急激なホルモン値の変化や育児の疲れや睡眠不足など身体面、精神面のバランスが上手く取れなくなることが挙げられます。

主な検査と診断

産後精神病の検査方法は、主に精神科や心療内科の専門医による問診となります。産後は多少なりとも精神不安定状態なので病的な状態かどうかの判断は専門医にゆだねられます。問診時の診断ポイントは、神経症状、躁状態、うつ状態、統合失調状態、錯乱、せん妄などの状態です。また、これまでの精神病の既往、気質、性格、家族歴、家庭環境などの背景因子を参考にしながら診断を確定してゆきます。

主な治療方法

産後精神病の治療法としては、主に薬物療法、身体療法、心理療法があります。薬物療法は、抗うつ剤や向精神薬を使用するもので、授乳中でも行って構いません。身体療法は電気けいれん療法で、非常に効果的だと言えます。心理療法は時間がかかってしまうのが欠点です。いずれにしても、患者である母親が落ち着いた生活を送れるように、周囲のサポートがひつようです。