再発性アフタ サイハツセイアフタ

初診に適した診療科目

再発性アフタはどんな病気?

再発性アフタとは、舌、口唇、頬粘膜などの口腔粘膜にできる円形の浅い口内炎(潰瘍)の中でも再発を繰り返すものを指します。
口のけが、ストレス、食べものなどを原因として発症しますがアレルギー反応は関与していないとされています。

初期症状として現れる焼けつくような痛みが特徴で、その後1日程度経過した後に口内炎ができます。
小児期や20~30歳代の女性に発症することが多く、ほとんどが30歳未満です。ベーチェット病の初発症状として現れることもありますが、この場合通常のアフタ性潰瘍よりも難治性であるケースが多いです。

年に数回程度の再発を繰り返す人もいれば、ほぼ常に口内炎がある状態の人もいるなど再発の頻度はさまざまです。通常は年齢を重ねていくと再発の回数も落ち着いて軽症化していく傾向があります。

妊婦や経口避妊薬を服用している人などは発症リスクが低下すると言われていますがそのメカニズムは明らかになっていません。

主な症状

再発性アフタがある場合、食べ物や飲み物をとった時に痛むなどの症状によって発症に気が付くことが多いです。
また、酸味の強いものや刺激物がしみて自覚するケースもあります。このような痛みを感じてから1~2日後に口内炎を発症します。
小さな口内炎であっても痛みが非常に強く、1週間程度持続することも多いです。唇や頬の内側、舌、口の底の部分、軟口蓋、のどなど粘膜の柔らかく滑らかな組織にできる点も特徴です。重症化した場合、発熱、頸部リンパ節の腫れ、全身の疲労感を伴うこともあります。

再発性アフタについては「腫れている」と表現されることもありますが、実際には粘膜の腫脹(しゅちょう)はほとんどないものが多いです。大きさは直径約0.3~1cmほどと小さいものが多く、1cm以上の大きなものはまれです。多くの場合10日程度で自然に治癒しますが、大きいものは痕が残るケースがあります。円形または楕円形をしており、大きなものは形がいびつな傾向にあります。また中心部は黄色がかった灰色、縁の部分は赤色です。

主な原因

再発性アフタを発症する原因としては遺伝によるもの、口腔内の外傷、喫煙、過労、胃腸障害、食生活の乱れ、ビタミン不足、細菌やウイルスによるもの、アレルギー内分泌の異常、免疫学的異常などさまざまな可能性が挙げられますが、はっきりとした原因は明らかにされていません。
口腔内の外傷では口の中をかんでしまう、硬い食べ物で傷つく、歯並びや歯のとがり方で傷がつくなど要因が考えられます。
また、発症要因となりうる食べ物にはチョコレート、コーヒー、ピーナッツ、卵、シリアル、アーモンド、イチゴ、チーズ、トマトなどが挙げられます。偏食による亜鉛不足やホルモンバランスの乱れなどもリスク要因と考えられています。要因として挙げた例の中でもストレスや外傷、ビタミンB12欠乏は再発性アフタを引き起こす可能性が高いとされてます。

またエイズを患っている人には大きなアフタ性口内炎が頻繁に見られ、数週間持続することも多いです。その他にも口内炎には口腔がん、白血病、クローン病、潰瘍性大腸などの疾患が隠れている可能性があります。

主な検査と診断

再発性アフタは臨床症状や患者の訴える痛みから判断されることがほとんどで、直接口の中を確認して明らかな特徴が認められた場合に診断されます。
通常よりも大きな難治性の口内炎の場合には自己免疫疾患や悪性腫瘍に起因する可能性が疑われます。
これらに起因するものかを詳しく調べるために病理組織学的検査が行われることもあります。
その他にもヘルペス性口内炎と症状が類似していますが、ヘルペス性口内炎では発熱や首のリンパ節が腫れるなどの特徴があることから判断することができます。

再発性アフタは再発を頻繁に繰り返す人も多く、大きさにかかわらず痛みが激しいため日常生活のストレスとなります。まずは口腔内を傷つけないように注意する、食事など日々の生活スタイルを改善することで予防効果が期待できます。疲労、精神的ストレスをためないような生活を意識することも大切です。鉄やビタミン不足については特に食生活で改善できます。

口内炎は大きな疾患ではないと放置してしまう人も多いですが、何度も再発を繰り返す場合には医療機関を受診するとよいでしょう。

主な治療方法

再発性アフタの治療は基本的に対症療法が行われます。
副腎皮質ステロイド薬が含まれる軟こうや、噴霧薬を用いて症状を抑えたり、口腔内の衛生環境を改善するなどが主な治療になります。
また症状に応じてレーザーによって痛みを抑える方法や、非ステロイド性抗炎症薬、抗アレルギー薬などの内服薬を用いる場合もあります。
潰瘍が複数できている場合には口の中の細菌を減らすためにうがい薬の使用も有効です。
何度も再発を繰り返している場合には、口内炎ができそうだと思った段階で洗口液などを使用することで発症を抑えられる場合もあります。

これらの治療に加えて生活習慣の改善や栄養不足を補うためのサプリメントなどを用いて、リスク因子を減らす環境を整えます。
不足すると発症リスクが高まるとされるビタミンや亜鉛などもサプリメントで摂取することができます。

このように口内炎の直接的な痛みを抑えながら、生活環境などを整えて再発性アフタを発症しにくい状態にしていくことが大切です。