急性妊娠性脂肪肝

初診に適した診療科目

急性妊娠性脂肪肝はどんな病気?

急性妊娠性脂肪肝は、過剰な脂肪が長時間かかって肝臓に蓄積していくいわゆる脂肪肝が急速に進み急激に肝臓に脂肪が蓄積する病気です。妊娠の後期と呼ばれる時期、特に妊娠37週頃に発生することが多く妊娠が終結しない限りは肝不全に至る疾患です。症状としては嘔吐・頭痛・黄疸・全身のだるさなどが現れ採血検査では肝機能を示す数値に異常な価が見られます。

主な症状

急性妊娠性脂肪肝の症状としては、妊娠後期に全身の倦怠感、嘔吐や時には吐血、悪心、黄疸などの状態をひきおこします。また意識障害を随伴させて、腎不全の徴候を伴うため、無尿や乏尿がみられることがあります。さらに下肢がむくんだり、低血糖、高血圧、不正出血などをおこすこともあり、そのほかにも体の一部がむずむずしたり、痒くなったり、発熱したりと頻度は低いですがおこることがあります。

主な原因

急性妊娠性脂肪肝の主な原因としては、脂質の代謝の異常やミトコンドリアなどの異常があり、女性ホルモンの影響などが多い事が特徴です。この疾患は複数の臓器の異常をきたし、肝不全では黄疸の症状を起こし、肝性脳症、腹水、腎不全、低血糖などの様々な疾患を合併することが特徴です。この急性の妊娠性脂肪肝は妊娠の末期に発症するケースが多く、脂肪が肝細胞内に蓄積します。

主な検査と診断

急性妊娠性脂肪肝の検査方法としては、一般の脂肪肝の検査と同様に、肝生検が必要です。血液検査や、臨床的所見によってこの病気が疑われる場合、早急に肝生検を行い、肝細胞に小脂肪滴の沈着があるかどうかを確定しなければいけません。最近は脂肪肝の診断に超音波が用いられることが多いのですが、やはり確実な検査としては肝生検が一番有力です。

主な治療方法

急性妊娠性脂肪肝という病気の治療法は、時期をみて母体から胎児を帝王切開にて摘出します。そして腎不全や肝疾患にたいしての治療をおこないます。方法は血液透析、血漿交換療法で対処しますが、なるべく早い対応が重要となります。母体と胎児の両方ともが死に至るケースもある疾患であり、見通しは非常によくない病気です。婦人会と肝疾患専門の医師との連携でおこなわれます。