悪性関節リウマチはどんな病気?
悪性関節リウマチとは、全身の腫れ、痛み、運動障害を特徴とする、関節リウマチのうち、眼、神経、血管の炎症や、心臓や肺などの内臓の病気を伴なったもので、命にかかわってくることがあります。発熱、胸痛、呼吸困難、激しい腹痛などの症状が起きて重症化する全身性動脈炎型、と皮膚に紫斑などがでたり、指に壊疸が起きる末梢性動脈炎型があります。
主な症状
悪性関節リウマチの症状として、全身血管炎に起因するものとしては、多発性関節痛、発熱(38℃以上)、体重減少を伴って皮下結節、紫斑、筋痛、筋力低下、間質性肺炎、胸膜炎、多発単神経炎、消化管出血、上強膜炎などの全身の血管炎にもとづく病状が急速に現れます。抹消型動脈炎型に起因するものとしては、皮膚の潰瘍、梗塞、四肢先端の壊死や壊疸が現れます。
主な原因
悪性関節リウマチの原因は関節リウマチと同様に現在では不明です。これまでの研究で遺伝的な因子が約30%、環境的な因子が約70%の割合で関係していると考えられています。遺伝因子の一つとしてヒトの主要組織適合性抗原であるヒト白血球抗原(HLA)が関節リウマチより多く認められています。環境的な因子としては、ウイルスや大腸菌などからの感染も示唆されています。
主な検査と診断
悪性関節リウマチの検査方法は免疫異常が強く求められるため、血液検査を重要視します。この血液検査により、免疫が異常をおこす自己抗体の種類や量などが判明し、炎症の有無もわかります。また関節の状態をみるため、CTやMRIなどのX線撮影も行います。これにより頚椎や大腿骨頭の病変が判明します。このほかにも病気の進行状態を把握する検査もあります。
主な治療方法
悪性関節リウマチの治療法は、基本的に抗リウマチ薬を使って治療していく方法ですが、関節機能不全に対する配慮をしながらすすめていく必要があります。また、寛解するまでは原則として入院しなければいけません。薬物療法としてはステロイド薬、免疫抑制剤、抗凝固剤、D-ペニシラミンなどが使われるほか、血漿交換療法が行われる場合もあります。
悪性関節リウマチの初診に適した診療科目