亜急性甲状腺炎 アキュウセイコウジョウセンエン

初診に適した診療科目

亜急性甲状腺炎はどんな病気?

亜急性甲状腺炎とは甲状腺が腫れて痛みや発熱をともなう病気のことです。症状は2〜3ヶ月続き、急性よりは長く続きますが、慢性的に続くわけではないので亜急性と呼ばれています。
男性に比べると圧倒的に女性に多く発症し、特に30〜40代の女性に多くみられます。
自然に治癒しますが、症状が強い場合には薬を使用します。人への感染力はなく、再発することは稀です。

主な症状

亜急性甲状腺炎の症状は大きく分けて炎症によるものと甲状腺中毒症によるものに分けられます。
炎症によるものは発熱や倦怠感、筋肉痛などが起き、甲状腺腫に伴う前頚部痛や腫瘤があります。発熱は40℃近くまで上がる事もあります。
甲状腺中毒症によるものは甲状腺ホルモンが血液内に漏出するするで、動悸や息切れ、多汗、手指の震えなどが認められます。ただこちらは一過性ですので数週間で消失します。

主な原因

亜急性甲状腺炎のはっきりとした原因は、現在でも解明されていませんが、ウイルスによるものである可能性が指摘されています。これは、鼻や喉に炎症ができたのに続いて発症するケースがあることから、上記の可能性が考えられています。
なお、本症例においては、他人への感染の危険性はありません。発症時期として最も多いのは夏場ですが、冬場などの寒い季節でも起こることがあります。

主な検査と診断

検査方法は、亜急性甲状腺炎は症状がはっきりしているため、問診の状態でほぼ病名が判断できます。
血液検査を行うと甲状腺ホルモンが過剰なときの症状が出現し、赤血球の異常低下、炎症反応が起こるため、検査ではこれが決め手になります。
その他、顎部超音波検査で特徴的な低エコーを確認する方法や、アイソトープ(放射性ヨウ素)で甲状腺のヨウ素取得率が低いことを確認し、バセドウ病を識別することができる方法もあります。

主な治療方法

亜急性甲状腺炎は、自然治癒する疾患であるため、対症療法を行うことが基本的な治療法です。
例えば、熱や痛みにはサリチル酸製剤を投与しますが、痛みの度合いがひどく重症である際には、副腎皮質ステロイド薬を投与することがあります。
ただし、この場合、1~2日で痛みや発熱は消失しますが、薬の減量や中止が早いと、再燃する可能性があります。
また、動悸を起こしている場合には、β遮断薬が用いられることもあります。