グラム陽性菌はどんな病気?

グラム陽性菌とは、グラム染色により青紫色に染まる細菌のことをいい、ボツリヌス菌やブドウ球菌など60種類あります。細胞壁は一層でやや厚く、タンパク質性の菌毒を分泌するものもあります。
多くは、しばしば人や環境に常在し、健常人にとってはほとんど問題ない弱毒菌ですが、免疫不全患者などにとっては、重い感染症を引き起こす引き起こす可能性があります。人間の病原細菌の多くは、グラム陰性菌です。

グラム陽性菌の主な症状は?

グラム陽性菌にはたくさんの種類があり、どの菌にどの部位が感染するかによって症状も異なります。
例えば、ブドウ球菌は一般的で身近に存在するグラム陽性菌で、皮膚、呼吸器、泌尿器、腸管など様々な部位に感染します。皮膚では膿を出すようになったり、呼吸器では肺炎を引き起こしたり、泌尿器では膀胱炎などその症状は感染部位によって異なりますが、発熱が共通してみられます。

グラム陽性菌の主な原因は?

グラム陽性菌は細菌であり感染しますが、その菌が原因で引き起こす病気は、中耳炎・心内膜炎・腹膜炎・丹毒や小児の細菌性気道炎となる溶連菌感染症、上気道炎・中耳炎・副鼻腔炎などの起炎菌で、乳幼児の肺炎となる肺炎球菌、皮膚症状・肺炎・敗血症・骨髄炎・関節炎などのブドウ球菌、吐き気・白血球増多・脱水症などのディフィシル菌があります。

グラム陽性菌の主な検査と診断方法は?

グラム陽性菌は色素液とエタノールを使ったグラム染色という方法で検査をおこないます。
患者さんから採取した検体をシャーレで培養し、グラム染色をおこないます。染色後の検体を顕微鏡で観察すると、陰性菌は赤色に、陽性菌は濃い紫色に染まっています。
検査方法自体はシンプルですが、菌の培養に時間がかかるため、検査結果が出るまでには2~3日を要します。

グラム陽性菌の主な治療方法は?

グラム陽性菌に感染したときの治療法としては、抗生物質の投与によって行ないます。
しかし、MRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)は抗生物質に耐性を持つため、抗生物質が効かず、本人の身体の抵抗力、免疫力頼みの治療しかできないこともあります。

グラム陽性菌の初診に適した診療科目