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今注目が集まっている医療や健康情報を病院検索ホスピタが厳選して分かりやすくお届け! 今回は『胃腸風邪』をご紹介させて頂きます。

厚生労働省はインフルエンザが全国的に流行期に入ったと発表しましたが、最近インフルエンザと並んで流行しているのが”お腹からくる風邪”、いわゆる「胃腸風邪」です。

非常に感染力が強く、長引くとやっかいな胃腸風邪について、その特性や対処法を紹介させて頂きます。

胃腸風邪

胃腸風邪の原因となる細菌性とウィルス性の違い

胃腸風邪には大きく分けて二種類あります。ウイルスが胃に入って発症する「ウイルス性胃腸炎」と、細菌が胃に入って発症する「細菌性胃腸炎」です。
どちらも良く似ていますが、それぞれウイルスや細菌によって症状や潜伏期間などに違いがあります。

【ウイルス性胃腸炎】
ノロウイルス
潜伏期間:1~2日
感染経路:カキなどの貝類
症状の期間:1~2日

ロタウイルス
潜伏期間:1~2日ロタウイルス
主な症状:嘔吐・下痢・発熱
潜伏期間:1~3日
感染経路:飲料水、食物
症状の期間:5~7日

アデノウイルス
主な症状:嘔吐・下痢・発熱
潜伏期間:5日~7日
感染経路:プールの水、乳児の便など
症状の期間:2~7日

【細菌性胃腸炎】
腸炎ビブリオ
主な症状:激しい腹痛・下痢・発熱
潜伏期間:10~24時間
感染経路:魚介類の刺身、すし類
症状の期間:2~3日

サルモネラ
主な症状:嘔吐・腹痛・下痢・発熱
潜伏期間:5~72時間
感染経路:鶏卵や鶏肉
症状の期間:4~5日

カンピロバクター
潜伏期間:2~5日
感染経路:鶏肉、牛生レバー、殺菌不十分な井戸水
症状の期間:5~7日

ウイルス性胃腸炎は、ウイルスの感染によって胃腸に炎症を起こすことが原因で、主に冬場に見られます。これに対して、細菌性胃腸炎は細菌感染による食中毒が原因で、主に夏場に多く見られます。
また、細菌性胃腸炎には抗生物質が有効ですが、ウイルス性胃腸炎には抗生物質が効かないのも大きな特徴です。

胃腸風邪

胃腸風邪の下痢・嘔吐の対処法、食事の取り方

胃腸風邪では、下痢・嘔吐などの症状が多く見られますが、下痢や嘔吐によってウイルスが体の外に排出されれば、症状は速やかに改善します。
しかし、下痢止めや吐き気止めなどの薬を飲んでしまうと、菌やウイルスを排出することができず、かえって回復が遅れてしまいます。早く治すためにも、なるべく薬は飲まない方が良いでしょう。
また、下痢や嘔吐で水分や栄養が摂れないと、脱水症状を引き起こしやすいため、水分補給することが重要です。常温のミネラルウォーターやお茶、スポーツドリンクなどでこまめに水分補給しましょう。
下痢や嘔吐の症状が出た時には、胃腸をゆっくり休めることも大切です。無理に食べようとすると胃腸への負担となり、逆に体力を奪ってしまいます。できれば下痢が始まって半日~1日は何も食べないのが好ましいです。

症状が落ち着いてきたら、おかゆ、うどん、ヨーグルトなど消化の良い物から食べ始め、胃腸の回復状態を見ながら少しずつゆっくり食べていきましょう。また、冷たい物は腸を刺激してしまいますので、胃腸への負担が少ない常温の物を食べるのが良いでしょう。

胃腸風邪

長引かせないために気をつけること

胃腸風邪にかかってしまったら、まずは安静にすることが一番です。体を休め、免疫機能を回復することが症状改善への近道です。普段から飲酒やタバコの習慣がある人は、回復するまで飲酒やタバコは控えましょう。
体の免疫を作り出しているのは肝臓ですが、アルコールを飲むと肝臓はアルコールの分解を優先して行ってしまうため、免疫を作る働きがおろそかになり、免疫力が低下してしまいます。
またタバコも、喫煙することによって体内のビタミンCが破壊され、風邪の症状が治りにくくなってしまいます。体に負担をかけることは極力避けましょう。

胃腸風邪

周りにうつさないようにするためには

胃腸風邪の予防には、とにかくうがい・手洗いが大事です。胃腸風邪のウィルスが体内に入る進入経路は喉や鼻です。うがいは喉から入り込んでくるウィルスに対して有効的な予防法です。
また胃腸風邪のウイルスは非常に強く、簡単な手洗いでは落ちない場合があります。外出先から帰ったら必ず念入りに手洗いすることを心がけましょう。
そして、胃腸風邪は感染者の排泄物や嘔吐物に接触すると感染する可能性が高く、感染者を看病している人や感染者と同居している人は特に注意が必要です。
感染者の排泄物や嘔吐物を処理の際には、必ずマスクやビニール手袋を使用し、直接触れないよう気をつけましょう。

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