涙嚢炎 ルイノウエン

初診に適した診療科目

涙嚢炎はどんな病気?

涙嚢炎とは、涙を溜める部位である涙嚢が炎症を起こす症状のことです。主に鼻への涙の流れが滞り、涙の通り道である涙囊の中で菌が繁殖することで炎症が起きます。
涙囊炎には突然発症する急性の場合と、長く持続する慢性の場合があります。
常時涙目の状態が続き慢性的に目ヤニが付着します。特に風邪などで免疫力が低下した際に起こる可能性が高く、放置すると角膜にまで感染して角膜腫瘍になることがあります。
治療方法は抗生物質の服用や消毒液による目の洗浄が一般的ですが、症状が重い場合は手術を行う場合もあります。

主な症状

涙嚢炎は片方の目におこることが多いです。症状としては、慢性では目やにや涙がよく出て、目頭を押さえると膿が出てきます。痛みはないことが多く、慢性結膜炎を伴うことが多いです。
急性の場合は、涙嚢のあたりが腫れて痛みがあり、目は赤くなり、涙や目やにが出て、ひどい時には発熱が出たり、顔がはれる時があります。視力が低下したり、結膜炎や角膜潰瘍を引き起こしたりする時があります。

主な原因

涙嚢炎の原因は、涙道の閉塞です。涙道が閉塞した場合涙が停滞することになるため、細菌に感染することによって炎症を起こすことになります。
先天的に涙道が閉塞している場合がある一方で、後天的な要因によって涙道が閉塞することもあります。
鼻炎や蓄膿症といったような鼻の病気、あるいは結膜炎のような目の病気を引き金として、涙道の閉塞を招く事があります。

主な検査と診断

涙嚢炎は問診や視診によって、目やにや炎症、痛みや赤みの有無などの症状を確認し、診断されます。
涙点から細い針を使い生理食塩水などを注入して、鼻やのどの奥に正しく流れてくるかどうかを調べる鼻涙管通水検査を行い、鼻涙管閉塞や鼻涙管狭窄がないかをチェックする場合もあります。

主な治療方法

涙嚢炎の治療は急性と慢性で異なった治療法をします。急性では抗生物質を投与して治療します。もし膿瘍が出来た場合は外科手術で切開し、内容物を排出します。
慢性では抗生物質を投与したり、消毒液を使用して涙嚢を洗浄したり、針金を通して開通させたりしますが、こちらは一時的で根治しにくいです。根治するためには涙嚢から鼻腔へ別の涙の道を作る涙囊鼻腔吻合術(DCR)という手術を行います。