慢性甲状腺炎はどんな病気?

慢性甲状腺炎は橋本病とも呼ばれる甲状腺における慢性の炎症性疾患です。中年女性に好発し、びまん性の甲状腺腫大が見られます。血中に甲状腺自己抗体が証明され、臓器特異的自己免疫疾患の代表です。本症による甲状腺機能低下症のうち、代償により甲状腺ホルモンが保たれているものを潜在性甲状腺機能低下症、代償能力がなくなり甲状腺ホルモンが低下したものを顕在性甲状腺機能低下症と言います。

慢性甲状腺炎の主な症状は?

慢性甲状腺炎は文字通り甲状腺が慢性的に炎症を起こしているような疾患ですが、この炎症が他の様々な疾患とは違って、症状には直接的に結び付きにくいという特徴があります。この病気にかかっている人たちの多くは自覚的に何も感じていない場合が多く、そのため、この疾患が直接の原因で病院を受診する人もそれほど多くはないと考えられています。

慢性甲状腺炎の主な原因は?

慢性甲状腺炎は本来、外部から入り込んだ異物に対して起きる免疫反応が、自分自身の細胞に反応して起きます。原因としては、遺伝因子と環境因子の組み合わせよって発症すると考えられています。発症すれば甲状腺の細胞が壊れ、細胞の間に線維化が起こる臓器特異的自己免疫疾患です。男性より女性の方が圧倒的に多く、更には45~65歳に多くみられます。

慢性甲状腺炎の主な検査と診断方法は?

慢性甲状腺炎はその別名を橋本病といい、自己免疫反応の異常によって甲状腺細胞を破壊してしまう疾患です。他の甲状腺疾患と同じく男性よりも女性が発症することが圧倒的に多いとされています。この疾患の確定的な診断を下すためには甲状腺組織を採取してその組織所見をみなければなりませんが、血液中の抗体検査や甲状腺の触診、超音波などを用いた検査方法によっても診断が可能です。

慢性甲状腺炎の主な治療方法は?

慢性甲状腺炎の治療法では、他の甲状腺機能の低下を来す症例と同様、一般的に合成サイロキシン製剤など、いわゆる甲状腺ホルモン剤の補充が行われます。甲状腺の腫大が軽度で、且つ機能低下が起こっていない場合には、特別な治療などはせず、年に1回から2回余り経過を観察する程度です。ただし、本疾患においては、甲状腺機能の変動が起こりやすいことから、上記に示した回数以上の経過観察が必要となります。

慢性甲状腺炎の初診に適した診療科目