無痛性甲状腺炎

初診に適した診療科目

無痛性甲状腺炎はどんな病気?

無痛性甲状腺炎(むつうせいこうじょうせんえん)とは、甲状腺の一過性の炎症で痛みや痒みがないものを指します。原因として出産をきっかけに起こることが一般的に知られていますが、とくに誘因なく発症することもあります。症状の現れ方として、動悸や暑がり、体重の減少などが挙げられます。動悸や手足の震えがひどい時の治療法として、β遮断薬を使用し甲状腺ホルモンが低下するのを待ちます。

主な症状

無痛性甲状腺炎は、動悸、多汗、頻脈、振戦、精神障害、易疲労感、体重減少などの甲状腺機能亢進症の症状がみられます。そして、甲状腺の自発痛、圧痛がないこと、また、発熱、皮膚の腫張などの急性炎症所見がみられないことが特徴です。ときに、痛みが感じられることもあります。また、ほとんどの場合、比較的軽度なものが多いといわれています。

主な原因

無痛性甲状腺炎の原因は、甲状腺からのホルモンの漏れによるものです。甲状腺からは、人体に必要なホルモンが分泌されています。しかし、この甲状腺が何らかの理由で破壊された場合、甲状腺からホルモンが血液の中に流出することになります。その結果として、一時的にバセドウ病のような甲状腺異常の病気と同類の病状を発症することになります。

主な検査と診断

無痛性甲状腺炎の検査方法は、血液検査を実施することでだいたいわかるようになります。バセドウ病などの抗体ができていることによって陽性反応がでますし、またTSHレセプター抗体があるので、それでも検査することができます。さらに放射性ヨードを利用する方法があって、ヨウ素を断つ食事を一週間行い、その後に放射性ヨードを飲用することで、ヨード放射をチェックするという検査です。

主な治療方法

無痛性甲状腺炎は、1~2か月で自然治癒することが多いので、あまり心配する必要はありません。甲状腺から血中に漏れてしまった甲状腺ホルモンを減らす治療法は確立されていないので、動悸や強度の振えなどがある場合は、β遮断薬で対処し、過労を避けて甲状腺ホルモンが低下するまで待ちます。治癒しても繰り返すことがあるので、年に1度は検査を受けるのがよいでしょう。