あざ アザ

初診に適した診療科目

あざはどんな病気?

あざ(痣)は皮膚に現れる赤や青などの変色のことです。
皮膚の色素細胞の異常増殖や、皮膚の内出血によって、皮膚が赤紫色などに変色します。
色によって赤あざ、青あざ、茶あざ、黒あざなどと呼ばれることもあります。

あざは原因によって皮下出血と母斑の2種類に大きく分類することができます。
皮下出血の場合は、打ち身、打撲など何らかの原因で体の部位に力が加わり皮膚の下に出血を生じることで発生します。
一方母斑は先天性の原因によって生じる生まれつきのものです。

大きなあざや複数のあざは全身疾患の母斑症である場合もあり、その場合内臓の病変を伴うケースもあります。
また皮膚がんはその見た目からあざと間違って認識している場合も多いです。
急に大きくなる、出血があるなどの場合には皮膚がんである可能性もあるため早めに医療機関を受診するようにしましょう。

また日ごろの紫外線予防や保湿によって後天性のあざは予防できる可能性があります。

主な症状

あざは皮膚の一部に赤、青、茶、黒などの色の変化が認められるのが代表的な症状です。
ほとんどの場合痛みを伴うことはありません。特別な治療も不要で、放置していても自然に消えていく場合がほとんどです。
特に皮下出血によってできたあざの場合、受傷した後は痛みや腫れ、熱感などを伴うこともありますが、多くは数日で症状はおさまります。
まれに病気や薬の影響で出血が止まりにくくなっている場合には皮下での出血が止まらずあざがどんどん大きくなる場合があります。
これが関節部分で起こると関節が動かしにくくなるなどの症状が現れます。

母斑の場合は基本的に痛みは伴わず、色の変化やまれにあざの部分が凸凹するなどの症状が現れます。
毛細血管奇形は皮膚の一部が赤く、扁平母斑は茶色く、色素性母斑は黒くなります。青くなるものには太田母斑・蒙古斑などがあります。
脂腺母斑や表皮母斑は表面が凸凹しているのが特徴です。毛髪母斑はあざの部分に毛が生える、貧血母斑は赤みがないものを指しますが、この2つはまれな例と言えます。

主な原因

あざができる原因は皮下出血か母斑かによって異なります。
皮下出血の場合、打ち身などのけがによるものが最も多いとされています。表皮の下の細い血管が外部から衝撃を受けることで損傷し出血を起こします。
このタイプのあざは日常で頻繁に見られ特に珍しいものではありません。多くは自然に消失しますが、血友病や白血病など出血が止まりにくい疾患を患ってい人の場合には注意が必要です。
抗凝固薬や抗血小板薬を使用している人も同様で、わずかな刺激で皮下出血を起こしてしまう特徴があります。

母斑の場合は、母斑の種類によって原因はさまざまです。主に青あざと呼ばれる母斑は、皮膚の中で母斑細胞やメラニン色素が増殖したことが原因でできます。
茶あざの場合は表皮上のメラニン色素の増殖が原因です。ほくろは皮膚の局所的な異常や加齢によってもできることがあります。
生まれつきの大きな母斑は遺伝子や染色体の異常によって生じる母斑症である可能性があります。

皮下出血の場合は放置していけば自然と元の色に戻っていきますが、母斑の場合は元々の色素異常などが原因となっているため消失することはありません。

主な検査と診断

あざは、見た目の特徴や発症のきっけかけを診察によって確認することで比較的容易に診断することができます。
目視や小型の拡大鏡を用いて確認します。そのため特別な検査は行われない場合がほとんどです。
あざの広がり方や頻度などに異常が見られる場合には血液検査が行われます。これによって血小板の数などを確認して隠れた疾患が無いかを調べます。

ほとんどのあざは医師であればすぐに判断できる特異性がないものですが、まれに珍しい特徴が現れているあざなどがあれば、生検を行うこともあります。
あざの組織を少量採取して、顕微鏡で詳しく確認する方法です。特に検査が必要と判断されるあざの特徴としてはあざが大きい、複数ある、出血があるなどの場合です。
全身的な異常が疑われる場合や母斑症が疑われる場合にはCT検査やMRI検査などの画像検査を行う場合もあります。
これらの検査によって他の臓器に病変が無いかと確認することができます。また皮膚がんと診断された場合には、転移を確認するためにPET検査も行われます。

主な治療方法

あざは、特に皮下出血を原因とする場合、特別な治療は必要なく自然に回復していきます。
イチゴ状血管腫や蒙古斑などの母斑も自然に消えていくあざに含まれます。

治療が必要なあざとしては将来的にがん化する可能性のあるものや美容的に問題があるものが挙げられます。
脂腺母斑はがん化する可能性がある代表的なあざの一種で、手術やレーザーによる治療が行われます。
赤あざも大きさなどに応じて手術かレーザーが選択されます。黒あざはレザーによる効果が見られないケースが多く、切除し縫合する手術が一般的です。
あざが広範囲であれば植皮術や皮弁手術も検討されます。茶あざや青あざはレーザー照射による効果が高く、徐々にあざが薄くなります。

レーザーや手術による治療はあざの種類や方法によって健康保険が適用になるケースと自由診療にあたるケースとがあります。
赤あざや黒あざの手術や、茶あざや青あざのレーザー治療は保険適用になる場合が多いです。