先天性溶血性貧血

初診に適した診療科目

先天性溶血性貧血はどんな病気?

先天性溶血性貧血とは、赤血球の破壊が異常に活発化する事が原因の貧血です。赤血球そのものに異常がある遺伝性の血球症から、酵素に異常がある赤血球酵素異常症が代表的ですが、他にはサラセミアや、ヘモグロビン異常症も存在します。先天性溶血性貧血の7割は、遺伝性球状血球症が占めます。重篤な貧血を招く場合もありますが、発病しないケースもあります。主な治療法は脾臓摘出です。

主な症状

先天性溶血性貧血の主な症状は貧血によるものです。動悸や息切れ、立ちくらみやめまいなどの症状がおこります。だるさや頭痛をうったえ、白目の部分や皮膚が黄色く見える黄疸を起こし、脾臓が腫れることもあります。さらに悪化し、慢性化すると胆石症を合併します。急激に赤血球が破壊されオレンジの濃い色の尿がでるようになり、腰痛が起こる場合もあります。

主な原因

先天性溶血性貧血には、赤血球に異常がある球状赤血球症や、ヘモグロビンに異常がある鎌状赤血球状なとがあります。通常の赤血球は、中央部がくぼんだ円盤状であるために変形しやすく、毛細血管も通り抜ける事が出来るが、赤血球が円盤状でなくなると変形しにくくなり、毛細血管で詰まってしまいます。詰まってしまった赤血球は、古いものと認識され、マクロファージによって破壊されることが原因で溶血が起こります。

主な検査と診断

先天性溶血性貧血の検査方法は主に血液検査になります。静脈から血液を採取することで検査が可能なのでそれほど特殊な検査をうけなくては検査ができないものではありませんし、採血で検査できるので時間的にもそれほどかかりません。ただし検査をするにも血液の専門医に診察をうけることが大切です。また入院して特殊な検査をうければさらに早く診断がつきます。

主な治療方法

先天性溶血性貧血の治療法は、まずは患者に副腎皮質系ホルモン剤のステロイド薬を処方して様子を見ます。ステロイド薬の処方で十分な効果が得られない場合は、体内の赤血球を破壊して、先天性溶血性貧血を引き起こす原因となっている患者の脾臓を摘出する手術をします。また、他に有効な治療法として、体内の赤血球を破壊してしまう免疫機能の抑制を試みることや、体温を下げないようにすることなどがあります。