鉄欠乏性貧血 テツケツボウセイヒンケツ

初診に適した診療科目

鉄欠乏性貧血はどんな病気?

鉄欠乏性貧血とは体内の鉄分が不足することにより起こる貧血で、最も頻度の高い病気です。血液中の赤血球や赤血球中のヘモグロビン濃度の低下により起こるのが貧血で、このヘモグロビン合成に不可欠なのが鉄分です。人間の体は鉄を作り出せないので、食物からの摂取が不可欠です。鉄は元々吸収の悪いものなので、レバー、ひじき、鰯、新鮮な野菜や果物に含有されるビタミンCなど吸収を促進させる食物と一緒に摂取するとよいです。

主な症状

鉄欠乏性貧血では、動作時の息切れや動機、めまいや顔面蒼白、疲れやすいなどの貧血全般に共通する症状のほかに、爪がもろくなって反り返るスプーン状爪、舌の表面がつるつるになったり赤くなってしみる舌炎、食道の粘膜が委縮するために食べ物が飲み込みにくくなる嚥下困難が起こることがあります。また、まれに氷を大量に食べるといった異食症も見られます。

主な原因

鉄欠乏性貧血の原因は鉄分を日ごろから食事で取っていないときに起こりやすくなります。鉄分は体の調子が悪いときには摂取しにくくなりますから貧血を起こしやすいときは多めに取る必要があります。女性は生理のときに大量に出血すると極端に鉄分不足になりますから食事から取れないときはサプリや医師から処方してもらった薬で鉄分不足にならないように注意します。

主な検査と診断

鉄欠乏性貧血の検査方法は、血液検査です。血液の赤血球の値、ヘモグロビンの値、ヘマトクリットの値に着目します。貧血状態にあると、赤血球、ヘモグロビン、ヘマトクリットの値が減少します。男女の差はありますが、赤血球については1マイクロリットル当たり400万個以下、ヘモグロビンについては1デシリットルあたり12グラム以下、ヘマトクリットについては37%以下が貧血状態と判断する目安となります。

主な治療方法

鉄欠乏性貧血の治療法は、 原因疾患に対する治療と鉄の補給を行うのが基本です。食事療法で鉄を摂取する必要がありますが、充分に鉄を摂取出来ない場合は、経口鉄剤で投与します。同時にビタミンCを取ることで鉄の吸収率が上昇します。何かしらの原因で経口投与が不可能な場合は注射で補います。また重篤な貧血で命の危険がある可能性があるなら、輸血が必要となります。