淋菌性膣炎

初診に適した診療科目

淋菌性膣炎はどんな病気?

淋菌性膣炎とは性感染症の一つで、淋菌の感染により起こる膣炎のことをいいます。性行為の多様化などにより近年増加傾向にある病気です。潜伏期間が2日から7日あり、黄緑色のおりものが出る、外陰部の痒み、排尿痛、下腹部の痛み、発熱などの症状が出ます。初期段階では無症状の場合も多く、炎症の重症化や感染拡大の原因にもなっています。ペニシリン系の抗生剤を使用した治療が一般的です。

主な症状

淋菌性膣炎は感染しても、35~50%の女性は自覚症状がありません。症状としては、外陰部がただれる、黄緑色の膿のようなおりものが出る(増加する)、外陰部のかゆみや灼熱感、不正出血があります。同時に尿道炎や膀胱炎も起こし、排尿痛や残尿感も出てきます。放置しておくと、子宮内膜炎や卵管炎を引き起こし、高熱や下腹部痛も引き起こします。

主な原因

淋菌性膣炎は淋菌の感染によって発症します。女性性器に対する抵抗力が十分でない年端がいかない少女にあっては、銭湯や温泉などにおいて湯温が低めになっている浴槽などに入浴することや性器が浴槽に接触することで感染することがあります。成熟した大人の女性であれば菌に対抗する抵抗力を備えているために感染の心配はないものの、セックスをすることによってパートナーからその原因となる細菌を移されることがあります。

主な検査と診断

淋菌性膣炎の感染の有無は、膣内で分泌された粘液を拭い取り、それを検査機関にかけることで判断します。その検査方法は、淋菌が染色される性質を用いて淋菌を検出するグラム染色法が主流です。病院に出向かなくても、自宅で可能な検査方法として、膣内の分泌液を自分で採取して、検査機関に郵送することが可能な淋病感染検査キットを使用する方法があります。

主な治療方法

淋菌性膣炎の治療法は、病状の進行度に沿った期間、ペニシリンやテトラサイクリンを代表とする抗生物質を服用することです。病状が進行しているほど、抗生物質の服用期間が長引きます。使用している抗生物質に耐性を持つ淋菌に感染していることが判明した場合は、抗生物質の種類を変えることで対応します。最近では、抗生物質を注射で注入する治療法も用いられ、この方法では1回の注射で淋菌を体内から排除することが可能です。