上顎洞真菌症

初診に適した診療科目

上顎洞真菌症はどんな病気?

上顎洞真菌症は、副鼻腔真菌症の一つと定義されており、文字通り真菌、特にアスペルギルスやムコール、カンジダが原因となって発症する疾患です。上顎洞に真菌が増殖し、真菌塊が形成されることで強い炎症が引き起こされますが、時々、副鼻腔壁の破壊を伴うケースも存在します。いずれかの鼻から、悪臭を伴った膿性、または粘性の鼻汁が分泌され、患側の鼻閉や鼻出血を来します。時に、チーズ様の乾酪性物質が出ることもあります。

主な症状

上顎洞真菌症の主な症状としては、どちらかの鼻の穴から鼻汁が多く出るという特徴があります。この分泌液には悪臭があり、鼻には痛みや出血などが起こります。この病気は限られた範囲の炎症にとどまることが多いですが、脳の内部に進むような場合には注意が必要になります。このような病状が悪化する稀なケースでは、高熱や頭痛、眼球突出などの病状が見られ、視力の機能に障害をもたらすことが多くあります。

主な原因

上顎洞真菌症の原因としては、真菌の感染によるものが多いとされています。上顎洞内に張り付いたチーズ状の物質の中から、アスペルギルス菌のかたまりが見られることがよくあるため、それが名前の由来ともなっていますが、実際には真菌の証明をできない症例も多くあり、他の理由として、溜まってしまった膿汁が凝縮変化したものであるとも考えられています。

主な検査と診断

上顎洞真菌症の検査方法としては、CT検査を主に行っていきます。CT検査はとても有用で、骨破壊像があるかどうかの確認をしていくこともできます。単純X線検査でも、真菌のかたまりが写ることはあるのですが、やはりCT検査のほうが正確です。また真菌症と悪性腫瘍、急性副鼻腔炎や歯性上顎洞炎との見分けがひつようとなってくる場合もあります。

主な治療方法

患部に溜まった膿を取り出す手術を受けると、上顎洞真菌症を効果的に治療することが出来ます。症状が中期の場合は抗生物質を服用することで、真菌の増殖を抑える事が可能です。抗生物質を飲めば、腫れと痛みを大幅に軽減することが出来ます。レーザー光線を利用した治療法でも治療を行なうことが可能です。症状が軽い場合は膿を摘出するだけで治ります。