声帯ポリープ セイタイポリープ

初診に適した診療科目

声帯ポリープはどんな病気?

声帯ポリープとは、声帯に刺激が加わったり、炎症が起こることによって、声帯粘膜の一部が腫れたり、粘膜上皮下に微小な出血をきたすことにより血腫が作られてできる病気です。ポリープは発声を控えて安静にしておくだけで、自然に無くなることもありますが、消炎剤などを投与しても治らない場合は、ポリープを切除する手術が必要になることもあります。

主な症状

声のかすれが主な症状ですが、のどに違和感を感じるといった症状もあります。声帯粘膜の振動面にできると声のかすれが目立ちますが、声帯粘膜の上面などにできた場合には声のかすれは目立たないこともあります。

主な原因

声帯ポリープができてしまう原因としては普段の生活の中で発声する際に正しく声帯が使われていなかった場合や喫煙などでできてしまうことがあります。特に声をよく使う仕事をしている人にできやすい疾患であり、完治するまでは発声が困難になります。予防策としては無理をして大声をださないこと、乾燥を避けること、声がかれた状態でしゃべり続けずに適宜水分を補給することです。

主な検査と診断

声帯ポリープの有無を確認するための検査方法は鼻の穴から細い内視鏡を通していき、ポリープの位置や状態を検査していきます。鼻粘膜に麻酔薬をスプレーすることで内視鏡を行う苦痛は軽減されます。概ね通常の内視鏡検査で診断はつきますが、専門の施設では喉頭ストロボ検査などで声帯粘膜の振動をより詳しく観察したり、音声の質の検査を行うことがあります。

主な治療方法

声帯ポリープの治療法としては消炎剤や吸入ステロイド薬などの保存的な治療をまず行うことがありますが、保存的な治療を行っても改善しない場合には外科的な治療の適応となります。手術は口の中を経由して行いますので首に傷が残ることはありません。声帯はのどの反射が強い場所ですので通常は全身麻酔下に直達鏡と言われる金属の管を入れて顕微鏡下にポリープの場所だけを切除します。手術時間は短時間で済みます。施設によってはのどの反射が強くない方に対して局所の粘膜麻酔のみで切除を行うこともあります。この場合鼻から内視鏡を挿入した状態で口から曲がった専用の器具を入れてポリープを切除します。局所麻酔だけの場合日帰り手術で対応可能です。のどの反射が強い方だと局所麻酔の手術は困難なため、全身麻酔の手術が必要になります。基本的に声帯ポリープは良性の疾患ですが、まれに病理検査で悪性のものであった場合には追加治療が必要となります。切除を行った後には局所の安静を保つため、数日間の沈黙が必要とされます。