嚢虫症

初診に適した診療科目

嚢虫症はどんな病気?

嚢虫症とは有鉤条虫の幼虫が体内に寄生する病気です。有鉤条虫の幼虫は袋状の形態をしており嚢虫と呼ばれる事に由来しています。嚢虫は直径1cm程度の紡錘型をしており、血流に乗って全身のあらゆる部位に寄生します。寄生した部位により様々な症状が現れ、大抵は寄生部位に生じるしこりで判別されます。この中でも特に脳に寄生するタイプはやっかいで、脳腫瘍に似た症状が起こり放置しておくと死に至るケースもあります。

主な症状

嚢虫症は、嚢虫が寄生した部位によって症状は様々です。腹痛、下痢、体重減少など軽いものから、てんかん、知覚異常、けいれん、麻痺など、脳に寄生した場合は死に至ることもあります。筋肉や皮下組織に寄生すると、しこりを感じることで感染に気がつきます。しかし、感染に気づかずに何年も経過し、中枢神経系に侵入した嚢虫が体内で死んだ後になって、強い炎症がみられることもあります。

主な原因

嚢虫症の原因は、有鉤条虫の幼虫の寄生によるものです。嚢虫と呼ばれる有鉤条虫の幼虫は、人間の体内に入り込むと、全身のいたる場所に寄生する可能性があります。嚢虫が寄生する場所によって、各種の病状を引き起こすことになります。この嚢虫が、万が一脳に寄生した場合には、重度の麻痺などの病状を示して命の危険があるケースも存在します。

主な検査と診断

人間の体に寄生する虫による病であって、体の全身のあらゆる場所に寄生する嚢虫症の検査方法として、病状から症状を割り出す事は通常の診療では困難であるので、手術で寄生虫を摘出した後に病状が割り出す事になります。神経の麻痺などによる神経の様々な症状が出た場合は、すぐに神経科などの診療を受けて、画像検査による寄生虫の特定をします。

主な治療方法

体内に寄生した嚢虫を摘出する手術を受けると、嚢虫症を完全に治すことが出来ます。寄生虫を摘出する手術が出来ない場合は、ビルトリシドを服用するだけで嚢虫を排除する事が可能です。痙攣やショック状態に陥っている時は、痙攣抑制剤を服用するとショック状態から立ち直る事が出来ます。肌が腫れる症状が出た時は、ステロイドという抗生物質を使用する治療法が有効です。