腺ペスト

初診に適した診療科目

腺ペストはどんな病気?

腺ペストという病気は、感染症であるペストの一種です。このペストは、ヒトに感染するペストであるヒトペストの80-90%を占め、ペスト菌を保有するノミの咬傷や感染したヒト・動物に接触することで、傷口や粘膜から感染します。侵入部位に変化は生じさせず、付近の局所リンパ節に伝播するのです。リンパ節は壊死していき、その後リンパ流・血液を介して脾臓・骨髄を経て、最終的には全身に伝播して敗血症を引き起こします。

主な症状

腺ペストに罹ると感染源のネズミやノミに噛まれた部位の周辺の近くのリンパ節が腫れはじめ、痛みも生じてきます。そして発熱や頭痛、血痰や水っぽい痰と一緒に出る咳などがあります。嘔気、嘔吐、下痢や腹痛など胃腸障害も起こします。肺炎になると2~4日急激に悪化しショック状態になります。全身のリンパ節に症状が広がり、死亡に至ることがあります。

主な原因

腺ペストは、ペストの中でも最もよくみられる症例で、ペストに感染したネズミから、吸血するなどして病原菌を持ったノミに刺されることが原因で、あらゆるリンパ腺を冒します。リンパ節の腫れは、まず刺された部分から始まり、次に腋窩や鼠径部のリンパ節が腫れて痛み、しばしばこぶし大の大きさにまでなります。肝臓や脾臓でも繁殖し毒素を生成するため、これによる意識混濁や心臓衰弱が起こり、約1週間程度で致死に至ります。

主な検査と診断

腺ペストの検査方法は、まずは、問診で、渡航歴や、現状態を把握し、ペスト菌の常在する地域に行っていないかを調べます。高熱、化膿、敗血症などの症状が出ていないか視診にて患者の様子を細かく診察します。さらに、患者の血液、喀痰などを検体し、グラム/wayson染色にて、菌があるか確かめます。死亡率が高いので、素早い対応が求められます。

主な治療方法

スプレプトマイシンという薬剤の投与で、初期状態の腺ペストを治すことが出来ます。ステロイド系の抗生物質を服用すると、高熱や悪寒や頭痛などの症状が緩和します。肝臓にダメージがある場合は、輸血を受ける事で肝臓の機能を回復させて、めまいと貧血を治すことが可能です。気管支炎を併発している時は、強心剤を使った治療法で咳と気管支の炎症を改善する事が出来ます。