全胞状奇胎

初診に適した診療科目

全胞状奇胎はどんな病気?

全胞状奇胎は精子と卵子の受精時に、卵子の持っている核が不活化して精子の持っている核だけが分裂して増殖することによっておこります。この病態は卵子自体に何らかの問題がある場合に生じるとされており、核を持たない卵子の中で、精子の染色体のみで細胞分裂が行われます。特徴的な症状としてつわりが重く、妊娠中毒症状態を発し、切迫流産のような状態が起こります。

主な症状

全胞状奇胎の主な症状は、子宮内がぶどうのように嚢胞状になった絨毛組織と血液でいっぱいとなります。それにより妊娠ホルモンが多量に異常分泌され、子宮から持続的に少量の出血が起こったり、つわりが極端に強くでてしまうことがあります。また、妊娠ホルモンの過多により、妊娠高血圧症候群の状態のような、高血圧やタンパク尿などが現れる場合があります。

主な原因

全胞状奇胎の原因は、卵子の核が消失しているか、もともと核を持たない卵子なのに精子が受精したものの遺伝情報が父親側からの分しかないため正常な胎児が発生することができずに絨毛組織の染色体の異常が起こることによります。精子からきた染色体のみで構成されるために染色体異常が起こり正常な組織として発育することができなかったのです。

主な検査と診断

全胞状奇胎の検査方法と致しましては、受診してから初めに重要なものは経膣超音波検査です。超音波検査では、典型的な嚢胞化の絨毛が子宮内腔に多数確認されますので比較的に診断は容易です。ある程度経つと卵巣にルテイン嚢胞というものが出来る場合があり、絨毛よりもルテイン嚢胞 が先に見つかる場合もあります。時には子宮外へ病変が移っていないか胸のレントゲンを撮影することもあります。

主な治療方法

子宮の内側を洗浄する手術を受けると、全胞状奇胎を治すことが可能です。繰り返し子宮内を洗浄することで、子宮からの大量出血を防止することが出来ます。症状が重度の時は子宮を全て摘出することで、転移の防止と症状の改善をする事が出来ます。抗がん剤と利尿薬の投与による治療法で、子宮の腫れやつわりや嘔吐などの症状を和らげる事が可能です。