胞状奇胎

初診に適した診療科目

胞状奇胎はどんな病気?

胞状奇胎とは、染色体異常によって異常増殖が認められる妊卵のことです。発生の仕方は大きく2つに分けることができます。1つ目は卵子が不活性化によって精子本来の核のみが増殖していく状態、2つ目は1つの卵子に2つの精子が入り込むことでなります。これによって妊娠中は重いつわりや不正出血、むくみ、赤いおりものなどの症状が出ます。つわりがあるのに切迫流産の症状があるというのが大きな特徴です。

主な症状

胞状奇胎の症状は、妊娠初期に性器からの出血が起こったり茶褐色のおりものが出ます。中でも多いのはつわりがひどいのに切迫流産の状態が見られることです。妊娠週数に比べて子宮が極端に大きく柔らかくなります。尿中ないし血中HCGの値が異常に高くなり、10万IU/l以上で確実だと診断されます。超音波検診で多数の粒状陰影が認められます。

主な原因

胞状奇胎は、別名「ぶどうご」等とも呼ばれていて、胎盤の絨毛部分が正常な状態と比べて非常に多く、異常発生してしまう病気の事です。この原因としてあげられるのは、一つの卵子に精子が二つ以上侵入してしまった事や、受精時の卵子の細胞分裂が止まってしまい、逆に精子の方の核分裂が頻繁になってしまった場合などがあると考えられています。

主な検査と診断

胞状奇胎の検査方法は、基礎体温を調べる、超音波断層検査、尿検査や血液検査をして尿中HCG値(胎盤が形成されるとき絨毛組織から分泌されるタンパク系のホルモン)を調べる、胸部X線検査(肺への転移を診断する)、CT検査、MRI検査、骨盤血管撮影などがあります。超音波検査では画像として特有なため、初期の段階での画像診断が可能です。

主な治療方法

胞状奇胎の治療法は、子宮内容を完全に除去する子宮内容除去術が一般的で安全性も高いです。 除去する場合は手術を2度施行し残存が無いようにします。しかし若い人や子どもが欲しい人は、子宮の中の奇胎組織を子宮口から取り出した、内腔を綺麗にする手術をします。手術後ははhCG値の測定を定期的に行うことで数ヵ月以上経過を見ます。hCG値が減少又は増加傾向にあるならば治療をします。