全身性アミロイドーシス ゼンシンセイアミロイドーシス

初診に適した診療科目

全身性アミロイドーシスはどんな病気?

全身性アミロイドーシスは、アミロイドと呼ばれる異常な蛋白質が全身の様々な臓器に沈着して機能障害を引き起こす疾患です。この疾患の発症過程についてはわかっているものの、アミロイドが生じる過程などその細かい機序についてはいまだ解明されていません。この疾患は心不全や不整脈などの心臓障害、腎不全やネフローゼなどの腎臓障害、末梢神経や自律神経の障害などの症状を引き起こします。

主な症状

全身性アミロイドーシスの主な症状は、まぶたや首、陰部に乳白色から黄色の丘疹です。他にも、まぶたに紫斑や結節、全身に紅斑、色素沈着、脱毛などがみられます。皮膚以外にみられるものとして、全身倦怠感、起立性低血圧、めまい、立ちくらみ、爪の変形、巨舌、むくみ、肝肥大、などがあります。心肥大や不整脈、下痢、蛋白尿などの循環障害、消化器障害などもみられます。

主な原因

全身性アミロイドーシスは、いろいろなたんぱく質が、水に溶けない線維性で全身の組織に沈着して、さまざまな障害を起こします。免疫グロブリンL鎖が沈着するもの、骨髄腫の症状に伴って起きるもの、異常トランスサイレチンなどが沈着するもの、血漿アミロイドAたんぱくの沈着、家族性のアミロイドーシスから来るものなど、原因はさまざまです。

主な検査と診断

全身性アミロイドーシスには、次の検査方法があります。組織検査にてコンゴーレッド染色で赤色、ならびに緑色偏光を認めることを特徴の一つとします。また、ダイロン染色では赤橙色、チオフラビンTで黄色蛍光を認めます。また、電子顕微鏡によるアミロイド線維の証明と、直腸粘膜や皮下脂肪の生検を行ってアミロイドの特定を行います。なお、免疫グロブリン性の場合では、骨髄腫を認めるかを調べる必要があります。

主な治療方法

全身性アミロイドーシスにおいては、心不全、および腎不全に対する対症療法を治療法として行います。なお、原発性に発症した場合の平均余命は、13か月とされており、骨髄腫のある場合は、更に短いとも考えられています。更に、心臓や腎臓にアミロイド沈着を来している場合は、特に予後不良となる傾向を示します。このため、気付いた際は、皮膚科、および内科を受診のうえ、一刻も早く上記の治療にて対処を行う必要があります。