存続絨毛症 ソンゾクジュウモウショウ

初診に適した診療科目

存続絨毛症はどんな病気?

存続絨毛症とは、出産や流産の際に胎盤組織(絨毛)が子宮の中に残ってしまうことを言います。胞状奇胎、絨毛癌、PSTTなどの絨毛性疾患の分類の一つです。体内に残ってしまった組織はがん化する恐れがあり、絨毛癌になってしまうと、毛細血管を伝って身体全体にがんが転移してしまいます。治療のためには抗がん剤を使った化学療法が一般的です。

主な症状

存続絨毛症の症状は、胞状奇胎を含む妊娠の後にヒト絨毛性ゴナトロピンの数値が高いままであること、侵入胞状奇胎や絨毛がんが疑われる検査結果が出ているにも関わらず病巣がよくわからなかったり、組織の採取ができなかったりすることです。また、はじめの頃は正常な妊娠とかわらないため早期発見は決して容易ではなく、しばらくして異常を自覚することがあります。

主な原因

存続絨毛症の原因は、性交時に受精を認めたが、着床せず精子の根元部分だけが残り卵巣内で栄養を吸い取ってしまうことが挙げられます。これは遺伝的な資質の面もありますが、胞状奇胎や絨毛がんを患っている患者にも多く見られる病気です。また、生理不順や遅れなどの障害がある場合には高い確率で引き起こされる場合がありますので注意が必要です。

主な検査と診断

存続絨毛症の検査方法は、絨毛性腫瘍の検査と同じように、尿検査、腫瘍マーカー検査、胸部X腺検査、CT検査、超音波検査をします。hOG(ヒト絨毛性ゴナドトロン)の数値が高く、絨毛がんなどが疑われる検査成績が出ているにもかかわらず、臨床的に病変の存在がはっきりしなかったり、病変が存在して、絨毛がんや侵入奇胎が疑われるのに、顕微鏡による病理組織検査によって確認できないものを総称していいます。

主な治療方法

存続絨毛症の主な治療法は、化学療法や抗がん剤治療が取り入れられてきております。MTX などの抗癌剤を投与する予防的化学療法が行われることもあり、症状を緩和することに役立つものとなっております。こうした存続絨毛や侵入奇胎をはじめ、絨毛癌とも現代の抗癌剤が非常によく効く病気ですので、治療方法としては抗癌剤による化学療法が治療の中心となります。